2020年、小惑星リュウグウから砂を持ち帰ることに成功したJAXAの探査機『はやぶさ2』実は『はやぶさ2』に、福島県内の企業も深く関わっていた!?
そして、2022年6月6日…その砂から生命の源となるアミノ酸が見つかったことがわかった。この発見はどんな意味をもつのか!?深堀する。

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<地球の水はどこから来たのか?生命を構成する有機物はどこでできたのか?>
その疑問を解くのが、無人の小惑星探査機『はやぶさ2』のミッションだった。
2014年に打ち上げ、2018年に小惑星「リュウグウ」に到着。翌年着陸に成功し、2020年にサンプル持ち帰りに成功した。

このサンプルとなった砂を分析した結果…アミノ酸が見つかったという。
アミノ酸は生命を形作る材料で、20種類以上のアミノ酸が発見された。
これが何を意味するのか?

アミノ酸は46億年前に誕生した地球にも存在していたが、地球がマグマに覆われたことにより失われ、その後飛来した隕石がアミノ酸を改めて地球にもたらしたという仮説があり、今回の発見はこの仮説を補強する。つまり、生命の源が宇宙由来であることを示している可能性があるという。

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<この『はやぶさ2』には、福島県内の技術が多く使われている>
福島県西郷村にある日本工機白河製造所が開発したのが「衝突装置」
中に詰まった爆薬が爆発すると、溶接されている銅板が吹き飛び対象物に衝突。
つまり、サンプル採取に欠かせない「適度な爆発で小惑星の表面に穴を開けるため」に、日本工機の技術が必要とされた。

それだけではない『はやぶさ2』には、福島県内8つの企業や大学が関わっている。

ちなみに、様々な装置がついた『はやぶさ2』の重さは609キロ。
リュウグウまでの距離が約3億キロ、帰還までの総飛行距離は52億4000万キロと、とてつもない距離を609キロが飛行した。

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<今回の発見に、携わった人たちは?>
日本工機・寺島実さん:「この度、帰還したカプセル(玉手箱)か生命誕生の起源や進化の過程解明につながる『アミノ酸が見つかった』との報道に接し、貴重なプロジェクトに参加できたことに感慨無量です。今後とも、福島の復興と元気につながる技術を研鑽して参ります」

会津大学・出村裕英教授:「リュウグウの太陽に焼かれた表面ではなく、地下深部の物質を採取できたからこその大発見です。生命の原材料が地球外天体でも作られていた証拠で、これらが壊れずに地球地表へ届くようならば、生命発生のハードルを大きく下げるかもしれませんね。地球の海と生命の起源・進化を明らかにするような新たな発見が続々と出てくることを期待します」