衆議院選挙・宮城の選択、10月21日は宮城5区です。宮城5区は立憲民主党の前職で9回目の当選を目指す安住淳氏(59歳)と、自民党の新人で元タレントの森下千里氏(40歳)の2人による一騎打ちとなっています。

立憲・前 安住淳 候補(59)
「ああ、しばらくぶりに帰ってきた」
Q.かなり忙しい?
「いよいよ選挙だから写真撮らないといけないということで…」

9月、およそ半年ぶりに地元に戻った立憲民主党の前職、安住淳氏です。この日、集まったマスコミを前に衆院選に向けた思いを話しました。

立憲・前 安住淳 候補(59)
「安倍自民党は嫌だなという穏健な保守層から共産党まで、私の責任で束ねる総選挙にしたい」

1996年の初当選以来、25年間、8期連続で当選を重ねる安住氏は石巻市旧牡鹿町の出身。民主党政権時代には財務大臣として入閣を果たし、立憲民主党の国会対策委員長を務めます。

立憲・前 安住淳 候補(59)
「総裁選で自民党が人気を盛り返したということではない感じがするよね、仙台なんかを見てると」

無所属で戦った前回の選挙から4年。安住氏を支えるのは、野党の支持者に留まらない多彩な顔ぶれです。決起集会には石巻市の斎藤正美市長も駆けつけエールを送りました。自民党公認候補として安住氏と3度戦った、かつてのライバルです。

斎藤正美 石巻市長
「こういう方こそ、地元を知り、人を知り、地を知る人こそ、国政でがんばっていただきたい。その思いできょうは参上した」

10月19日、安住氏はコロナ禍にあえぐ観光地・松島町を第一声の場所に選びました。与党のコロナ対応を批判し、一強政治を終わらせ、野党に政権を任せてほしいと訴えました。

立憲・前 安住淳 候補(59)
「マスクを外して町内会の旅行、ワハハ、エヘヘと、みんなで飲んで楽しく暮らせる社会を必ず作ってみせます。そのために今こそ政治を刷新して日本の政治を新しい時代に導くために私、安住淳は先頭になってがんばってまいります」

震災からの復興は第二ステージに入ったとする安住氏。政権を取った暁には、被災者のコミュニティーの再生にも力を入れるとアピールします。

地元住民
「頑張って」

立憲・前 安住淳 候補(59)
「元気で。ありがとうございます…懐かしい顔に会っていいね」

自民党の新人で元タレントの森下千里氏です。名古屋市出身の40歳。おととし、芸能活動を引退し、今年4月、自民党宮城県第五支部の支部長に就任しました。

自民・新 森下千里 候補(40)
「人生で牛(市場)は初めてです。さすがに。食べることをしっかり考えさせられる」

タレント時代に被災地での炊き出しなどを経験し、立候補を決意したと言います。

畜産農家
「なぜ愛知県から宮城に?」

自民・新 森下千里 候補(40)
「ご縁があったんですけど、自分自身やはり震災があって、自分もさまざま考えてお役に立ちたいと思って」

最初は縁もゆかりもない宮城での政治活動をいぶかる声もありましたが、地道な活動を続けるうちに、徐々に支援の輪が広がりました。街頭での辻立ちは1600回以上になります。

自民・新 森下千里 候補(40)
「知名度ないなって思います。一から皆さんに顔を覚えてもらい名前を分かってもらえるようにがんばっております」

選挙戦では女性が暮らしやすい社会の実現に力を入れるとアピールします。

自民・新 森下千里 候補(40)
「社会を輝かせるために、地域を元気にするために、私、森下千里はもっと女性の元気を支援していきたいと思います。皆さま方と同じ気持ち、同じ目線でこの地域の課題に当たっていきたいと思います」

10月19日、石巻市の中心部で第一声を上げた森下氏。被災地の住民が安心して暮らせるインフラ整備や、被災者の健康を支える政策など、被災地に寄り添った課題解決を訴えます。
石巻地域を中心に大崎市の一部から南三陸町まで広がる宮城5区。抱える課題はさまざまです。

「震災からの復興」

立憲・前 安住淳 候補(59)
「同じ集落や町の人たち同士が、同じ復興住宅に住めるように引っ越しなんてしたらどうか」

自民・新 森下千里 候補(40)
「特にソフトの面、いわゆる心のケア、子供や心身共に元気になれない方もたくさんいますので、そういった方の支援が必要だと感じている」

「女川原発再稼働」

立憲・前 安住淳候補(59)
「非常に不便なところの避難道路を整備したうえで議論しないといけない。再稼働だけ認めた県の姿勢は、私は容認できない」

自民・新 森下千里 候補(40)
「住民の理解の上での稼働だと思いますが、とはいえしっかりと廃炉に向けて進んでいくべき」

「米価下落への対応」

立憲・前 安住淳 候補(59)
「戸別所得補償制度を定着させるべきだと思う。いくばくかの収入がきちんと保証されているということが必要」

自民・新 森下千里 候補(40)
「宮城のお米が魅力的だということをしっかり伝え、ブランド化していくということが大切だと思う」

8期連続当選の重鎮に元タレントの新人が挑む宮城5区の闘い。衆議院選挙の投票日は10月31日で、即日開票されます。