銅メダル獲得の萱和磨 体操男子種目別あん馬 表彰式

オリンピック 体操 萱和磨“失敗しない男”がつかんだ銅メダル
東京オリンピック、体操男子団体の銀メダルに次ぎ種目別のあん馬で銅メダルを獲得した萱和磨選手。ミスのない演技から「失敗しない男」と呼ばれる萱選手が、持ち味を発揮してつかんだメダルでした。

5年前のリオデジャネイロオリンピック。萱選手は補欠として帯同し、観客席で内村航平選手や同世代の白井健三選手の輝きを見つめました。

「次の東京オリンピックは、絶対に自分がこの舞台に立つ」

この5年、萱選手は「絶対にミスをしない演技」を追求してきました。そして、そのミスをしない演技が萱選手の持ち味となり、「失敗しない男」と呼ばれて日本の中軸を担うようになりました。

6種目で全体的に技のレベルを上げていくなかでも、一番、計算できる種目が2015年の世界選手権で銅メダルを獲得した実績をもつあん馬でした。
今大会の予選、萱選手は、種目別のあん馬で7位で決勝に進出。上位選手は、萱選手よりも軒並み難しい演技を行い、メダル獲得は容易でないと思われました。
それでも萱選手は、自分が練習してきたことを信じて自信を持って臨めたと言います。

「正直、すごい選手ばかりの決勝でどうなるか予想がつかなかった。それでも、今まであん馬という種目に何回も救われてきたし、どの種目よりも練習してきた。だから、あきらめなければ何が起こるかわからないと思っていた」
15点を越えるような高得点ではありませんでしたが、大舞台でもミスのない実力を示し、堂々の銅メダルを獲得しました。

萱選手は、この日の銅メダルの喜びと団体で獲得した銀メダルの手応えを口にするとともに、もう1つの色のメダルについて少し悔しそうな表情を浮かべて、こう話しました。

「やっぱり金メダルがほしかった。こういう大舞台で自分の力を出しきるという自信はついた。東京オリンピックは本当に最高の場所だった。でも、もう一度出たい。パリオリンピックに出て、金メダルをとりたい」

5年前の悔しさをバネにオリンピックで演技をした萱選手の視線は、もう次のオリンピックを見据えていました。