第77回ベネチア国際映画祭は最終日の12日夜(日本時間13日未明)、イタリア・ベネチアのリド島で授賞式があり、コンペティション部門に参加した「スパイの妻」の黒沢清監督(65)が銀獅子賞(監督賞)に選ばれた。日本映画で同賞を受けるのは、2003年に「座頭市」で参加した北野武監督以来17年ぶり。   黒沢監督は、授賞式にビデオメッセージを寄せ、「長い間、監督に携わってきましたが、この年齢で喜ばしいプレゼントになりました」と語った。  黒沢監督が初めて挑んだ歴史映画「スパイの妻」は、太平洋戦争の開戦前夜の神戸で生きる福原聡子(蒼井優)が主人公。日本が戦争へと突き進んでいくなか、満州で恐ろしい国家機密を知ってしまった夫の優作(高橋一生)の暗躍のために、憲兵隊から「スパイ」の嫌疑をかけられる夫婦の姿を描く。高精細の8Kで撮影され、NHKのBS8Kで6月に放送されたドラマを劇場版として再編集した。 (朝日新聞デジタル 2020年09月13日 10時45分)関連ニュース二つの「散歩する侵略者」、黒沢清監督インタビュー出ずっぱり前田敦子の魅力に尽きる 「旅のおわり世界のはじまり」黒沢清監督映画界のホープ、東京芸大から次々 黒沢清監督らが教授時をかける少女にかけた魔法 大林宣彦監督の創作原点永久に読み継がれるべき 大賞「ニュクスの角灯」選評