ミュージカル「マルグリット」の製作発表が30日、東京・有楽町のザ・ペニンシュラ東京であった。ヒロインの歌姫・マルグリットを演じる藤原紀香が、肩の開いた深紅のドレス姿で本番さながらに熱唱し、会場に招かれた演劇ファンらを魅了した。
 「マルグリット」は、第2次世界大戦中、ナチス占領下のパリを舞台にした男女の悲恋の物語で、小説「椿姫」を下地にしている。「レ・ミゼラブル」や「ミス・サイゴン」などの大作ミュージカルを手がけたアラン・ブーブリル氏とクロード=ミッシェル・シェーンベルク氏が脚本を担当し、09年には日本で初演されている。
 今回、新キャストとしてマルグリットに挑む藤原は、「オファーを受け作品を見て、今の自分の実力では簡単ではないと思ったが、この役をぜひ演じたい、絶対にハードルを乗り越えてステージに立ちたいと思った。今、レッスンでバシバシしごかれている。どんどん自分が新たに進んでいると実感している」と語った。
 共演の田代万里生は、マルグリットと恋に落ちる青年役。前回に続く再演となる。「ロンドンでの世界初演を見て衝撃を受け、昨年の日本初演のオーディションを受けた。まさに自分の人生を変えた作品。初演以上の作品にしたい」と意気込みを述べた。「藤原紀香さんと西城秀樹さんとの三角関係。こんな体験は一生ないので大事に取り組んでいきたい」
 久々のミュージカル出演となる西城秀樹は、ふたりの愛を引き裂くナチス将軍役。「とにかく音楽が良い。この作品は、女性が見ると主人公と同じような気持ちになると思う。素晴らしい愛の物語」と話し、「大人のクールさ、深いところを引き出したい。初の悪役だが、実際の僕はいい人です」。藤原に「セクシーな秀樹さん」と言われると「ヒデキ、カンゲキ!」とおなじみのフレーズで返し、会場は爆笑に包まれた。
 ミュージカル主演3作目となる藤原は、「細胞が震える感じ、ということをミュージカルで覚えた」という。「今回は本当に楽曲が難しい。だけど旋律が組み合わさると鳥肌が立つぐらい美しい。努力して自分のものにして、素晴らしい共演者とハーモニーを奏でて舞台に立てることを楽しみにしている」