『おかえりモネ』いよいよ東京編へ 今田美桜、高岡早紀ら新キャラ×俳優陣を解説

 連続テレビ小説『おかえりモネ』(NHK総合)は、第10週「気象予報は誰のため?」から舞台を東京に移す。ここで、ヒロインの百音(清原果耶)が東京で出会う個性的なキャラクターたちを紹介したい。

●安西和将(井上順)
 気象キャスターの朝岡(西島秀俊)が働く気象会社「ウェザーエキスパーツ」の社長で飄々とつかみどころのない人物のようだ(百音がゆくゆく働くことになる会社となのだろうか)。

 井上順は本作が『ファイト』、『エール』に続き朝ドラ出演3作目。『エール』ではスリーピースのスーツにハットという出で立ちが似合う紳士・木下一役のダンディーな出で立ち、存在感で視聴者を沸かせた。井上の元々持つ粋で小洒落た雰囲気が一気に都会臭を感じさせてくれるだろう。彼が演じる社長とくればきっと茶目っ気満載で、直接若手の百音との触れ合いも出てくるのではないかと期待できそうだ。

●高村沙都子(高岡早紀)
 テレビ局内の社会部気象班の制作進行を束ねるデスクで、報道番組の責任者。正確な情報を厳選して慎重に伝えるという報道スタンスに強いこだわりがあり、気象情報をときに踏み込んで伝えようとする朝岡と対立することもある。

 本作が朝ドラ初出演となる高岡早紀演じる沙都子はいかにも“デキるキャリアウーマン”そのもの。

 “デキる女”役というのは高岡の得意とするところで、最近も『桜の塔』(テレビ朝日系)では、銀座の高級クラブのママながら元警官という異色の経歴を持つ小宮志歩役を好演。また『オー!マイ・ボス!恋は別冊で』(TBS系)で、着物ブームの火付け役であり、ファッション業界のトップに君臨するウエクサジンコ役としてゲスト出演したのも記憶に新しい。何かしら“訳あり”な側面も持つ強い女性役が続いているが、本作でも百音が憧れを抱く“東京の女性”の一人になることは間違いなさそうだ。

マイコは清原果耶と再び共演
●沢渡公平(玉置玲央)
 テレビ局社会部の記者。担当である気象班をちょくちょく訪れては情報交換をしてゆく。少々やさぐれた風体でいい加減そうに見えるが、記者としての腕は良いらしい。

 沢渡役を演じる玉置玲央は『花子とアン』に続き本作が朝ドラ出演2作目。『恋する母たち』(TBS系)で演じた弁護士・蒲原繁樹役でさらにお茶の間での知名度を上げた。最近では『半径5メートル』(NHK総合)、『シェフは名探偵』(テレビ東京系)へのゲスト出演、さらには現在放送中の『ひきこもり先生』(NHK総合)での主人公の引きこもり仲間・依田役で非常に重要な気になる役どころを熱演している。どこか気難しさや神経質なところを感じさせる役柄を演じることが多い玉置だが、本作の記者役ではどんな顔を見せてくれるのか楽しみだ。

●井上菜津(マイコ)
 シェアハウスの大家で、人当たりの柔らかい優しい人物。祖父母がやっていた古い銭湯をシェアハウスにリノベーションしたようで、百音の東京での住まいとなるようだ。

 菜津役を演じるのはマイコ。朝ドラ出演は『おひさま』、『マッサン』 スピンオフドラマ「すみれの家出~かわいい子には旅をさせよ」に続き本作が3作目。

 本作と同じく安達奈緒子脚本による『透明なゆりかご』(NHK総合)で妊婦・町田真知子役を好演し、清原果耶演じる主人公の良き相談相手となっていた。真知子にはあまりに悲しい結末が待ち受けていたが、本作では百音と菜津のほのぼのとした交流が観られることを期待したい。

●神野マリアンナ莉子(今田美桜)
 朝岡が気象キャスターを務める朝の報道番組で中継コーナーを担当する若手気象予報士。華やかな風貌で仕事中は常ににこやかだが、ゆくゆくは報道キャスターになりたいという野望を秘めているという役どころを今田美桜が演じる。

 今田は本作が朝ドラ初出演。『半沢直樹』(TBS系)での浜村瞳役、『恋はDeepに』(日本テレビ系)での宮前藍花役などで観られた“等身大”という言葉がしっくりくる真っ直ぐな演技が魅力的で、どの作品でも歯に衣着せぬ物言いの、それでいて許されてしまうような裏表のない役どころが特にここ最近は続いているように思える。

 一見したところ控えめに見える“陰”要素もある百音と、パッと人目を引く華やかさを持つ“陽”な莉子の同世代の2人の対比や今後の関係性に注目したい。

 百音が東京でどんな新たな自分の一面や可能性を見つけ、それを社会に還元していくのか。気持ち新たに彼女の新天地での模索を追いたい。