開会式まで2カ月を切った東京オリンピックについて、IOC(国際オリンピック委員会)のベテラン委員が「中止の選択肢は排除されている」と発言したことに東京都の医師会トップが異論を唱えました。

 雨のなか、聖火は今、滋賀県をつないでいます。3月から始まったオリンピック聖火リレーも日程の半分を過ぎました。

 滋賀出身のミュージシャン・西川貴教さん(50)が第1走者を務め、そして騎手の武豊さん(52)はトレーニングセンターがある栗東市を駆けました。

 こうしたなか、IOCで最古参の委員がアメリカ・CNNテレビの取材に対し、東京大会の中止は「選択肢にない」と語りました。

 国際オリンピック委員会、ディック・パウンド委員:「オリンピックの計画と実行に関わっている者で中止については誰1人検討していない。東京大会中止の選択肢は議論から排除されています」

 さらに「IOCは安全な大会が保証できるのか」との質問に対して「何かを保証できる人は誰もいない」としながらも、選手らを隔離状態にして検査を徹底することで感染は防げるとの考えを示しました。

 一方、オリンピックで医療面の協力を求められている東京都医師会の尾崎治夫会長は感染拡大の収束が見えないなかでの開幕に危機感を抱いています。

 東京都医師会・尾崎治夫会長:「私は今の状況のような形、そして今までのようなやり方、ただ(緊急事態宣言の)期間を延ばすというやり方であれば、五輪開催は非常に難しくなるのではないかと思っていますが、ですからこれがある意味最後のチャンスだと思います」

 尾崎会長は、例えば東京都の一日の感染者数を100人以下にするなど具体的な目標設定の重要性を強調。世界的な有事のさなか、アスリートファーストでの運営を提案しました。
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