新田真剣佑(24才)が初の単独主演を務めた映画『ブレイブ -群青戦記-』が、3月12日より公開中だ。最初の土日の2日間で観客動員数11万1000人を記録し、興行収入は1億4300万円を突破。映画ランキング第2位という好スタートを切った。口コミには、「作り手たちの熱量が凄い」、「一所懸命で真っ直ぐな出演者たちに感動」といった言葉で溢れた。特に、新田真剣佑と、故・三浦春馬さん(享年30)の演技に注目が集まっている。その理由について、関係映画や演劇に詳しいライターの折田侑駿さんが解説する。
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本作は、笠原真樹による累計発行部数100万部超のマンガ『群青戦記 グンジョーセンキ』(集英社)を、『踊る大捜査線』シリーズ(1997年-2012年)や『幕が上がる』(2015年)、『亜人』(2017年)などを手掛けた本広克行監督(55才)が実写映画化したもの。戦国時代にタイムスリップしてしまった高校生たちが知恵と絆を武器に、仲間のために決死の戦いに挑んでいく姿を描いている。
物語のあらすじはこうだ。主人公・西野蒼(新田真剣佑)は、スポーツ強豪校の弓道部に所属しながらも自分に自信が持てず、部活にも身が入らないでいた。ある日、校庭に一本の雷が落ちる。学校の周りに見渡すかぎりの野原が広がったかと思えば、校内には武器を手にした野武士たちが続々と来襲。なんと蒼たちは、学校まるごと戦国時代、それも「桶狭間の戦い」直前にタイムスリップしてしまったのだ。こうして“高校生アスリートVS戦国武将”という前代未聞のストーリーが展開していく。“知恵と絆を武器に”と先述したが、心身ともに磨き上げられた若きアスリートたちの“部活力”も戦いの大きなカギとなる。
そんな物語を彩っているのが、高校生アスリートたちに扮した若手俳優陣。注目すべき存在が目白押しだ。山崎紘菜(26才)演じるヒロインは、蒼とは対照的な性格の持ち主。囚われの身となる存在ながら、同じ弓道部のアスリートとして、そして幼馴染みとして、主人公に発破をかける役どころなのが面白い。キャリア的にも身体能力的にも目を見張るものがある鈴木伸之(28才)は、皆の指揮を執る剣道部主将を好演。彼も蒼と幼馴染みであり、その友情に泣かされる。話題作への出演が続く渡邊圭祐(27才)は、蒼たちに先駆けてタイムスリップし、歴史操作を目論むヒール役に徹している。今作でさらに注目度が上がることだろう。松平元康(後の徳川家康)に扮する故・三浦春馬さんや、織田信長を演じる松山ケンイチ(36才)らの存在も欠かせない。2人は先述の俳優陣と比べるともはやベテランの域。物語に緊張感とダイナミズムを与える重要なポジションを全うしている。