LINEヤフーは20日、AIエージェントの新ブランド「Agent i」を発表し、提供を開始した。LINEアプリやYahoo! JAPANの検索窓などからアクセスできるもので、ほかのAIのようにプロンプトを入力するだけでなく、シーンに合わせたメニューのようなものも用意されている。

 また、LINEヤフーの各サービスと連携しているのも大きな特徴の1つで、Yahoo!ショッピングやebookjapanなどのECサイトやスポーツナビなどの情報サイト、LINEのトークやカレンダー、LINE公式アカウントとの連携も実施予定で、同日都内で開催された発表会でも、シーンにあわせたさまざまな機能が展示されていた。一方、紹介された機能の多くはリリース時点では提供されていない機能で、若干“勇み足”のような感は否めない。

 発表会では、CPOの慎ジュンホ氏から「Agent i」の目指す姿が語られたほか、今後登場するさまざまなAI機能などが披露された。

ユーザーの“すべての場面”に寄り添うAI

 「Agent i」では、ユーザーの生活に寄り添うさまざまな機能が用意されている。

 たとえば、投資をしている会社員の場合、自分の保有銘柄の最新情報をAIが24時間調べて、参考になる情報を見つけた場合に案内する。航空券が一番安い時期や、新生活の準備にいい不動産の情報があれば教えてくれるなど、さまざまなタスクを同時に進行する機能を用意している。

 また、機能だけでなく、LINEヤフーが持つ1億人のユーザーに対して、LINEやヤフーの延長線上でAIサービスを提供できるとコメント。LINEヤフーの金融やECなど100以上のサービスと連携することで、日常生活のすべてをサポートすると慎氏は意気込む。加えて、LINE公式アカウントなどを通じオフラインともつながるサービスを持つことで、「Agent i」はユーザーの“すべての場面”で日常生活に寄り添うサービスを提供するとしている。

便利そうな機能も「まだ使えない」

 発表会では、さまざまなエージェント機能が紹介されていた。たとえば、プロ野球のリアルタイム速報を掲載しているスポーツナビと連携した「野球解説くん」は、試合速報をAIが実況したり、野球用語を解説したりするなど、状況に合わせて説明する。また、「学びサポート」は、カメラから問題やテストの答案を読み取り、ユーザーの苦手な部分を分析したり、問題の解法を解説してくれたりする。ユーザーに合わせて問題を出題することもできる。

 「AIお買い物メモ」は、ユーザーがテキスト入力や音声で買い物メモを残しておくと、AIがYahoo!ショッピングなどECサイトから「送料を含めて安く買える方法」を提案したり、「沖縄旅行の準備」といったあいまいなメモから購入リストを作成したりできる。クラウドで処理するため、生成結果が出るまで時間がかかるが、並行して処理を進められるので、「通勤中にメモだけ残しておいて、帰宅後に結果を見る」といった使い方もできる。

 慎氏は、「日常生活で必要なものに関するさまざまなデータベースを自社で持っていることや、予約システムなど個々の企業のシステムと連携できるところが強み」と説明。

 一方で、今回紹介されたサービスの多くは、サービス開始時点で利用できない。質疑でも「触ってみたが、紹介されたもののほとんどが使えない」と記者から声が上がった。慎氏は「より早く届けたかった」としたうえで、生成AIは進化が激しいと指摘。ユーザーのフィードバックを踏まえて、開発し続ける前提でのリリースであると説明した。

 なお、利用については、将来的に何らかのメンバーシップやサブスクリプションを設けることを示唆する。同社では、さまざまなプラスアルファ機能を提供している「LYPプレミアム」を提供しており、今後これに「Agent i」のクレジットが含まれるなどが考えられる。また、広告モデルについても、AIを踏まえた広告モデルも検討しており、慎氏は「コストバランスは保てる前提で考えている」と話した。