Elon Musk and Michael TruellxAI CEOイーロン・マスクとカーソル CEOマイケル・トゥルエル。Fabrice COFFRINI / AFP via Getty Images and Kimberly White/Getty Images for Fortune Mediaイーロン・マスク率いるxAIは、カーソルが自社の計算能力の一部をトレーニングに利用できるようにする計画である。関係者によると、カーソルはxAIの数万基のGPUを使用してAIモデル「Composer 2.5」をトレーニングする予定だという。この取り決めは、競争が激化するAI業界においてxAIが採る新たな戦略を示すものだ。

関係者によると、イーロン・マスク(Elon Musk)氏が率いるAI企業xAIは、コーディングスタートアップのカーソル(Cursor)との新たな提携を通じて、自社が保有する膨大な計算能力を活用する計画である。

カーソルはxAIのインフラ上で、最新のAIコーディングモデル「Composer 2.5」をトレーニングする予定であり、AIモデルの学習に用いられるチップであるGPU(グラフィック処理ユニット)を数万基利用する見込みである。

この仕組みにより、xAIは事実上クラウドプロバイダーとしての役割を担うことになる。自社のGPUの一部を他社に貸し出すことで、xAIは自社のAIモデル開発を続けながら、大規模なインフラから収益を得られるようになる。この取り決めは、データセンターの構築と運営にかかるコストの相殺に寄与するとともに、価値の高いコーディングデータにアクセスできるスタートアップとの関係強化にもつながる。

アマゾン(Amazon)、マイクロソフト(Microsoft)、グーグル(Google)といった大手クラウドプロバイダーは、数百万基のチップを保有し、数千社の企業や開発者に計算能力を貸し出すことで莫大な利益を上げている。CoreWeave(コアウィーブ)やLambda(ラムダ)といった新興企業は、AIモデル開発者向けにGPUを供給する事業を展開している。計算能力へのアクセスは、AI覇権争いにおいてますます重要な要素となっている。

xAIとカーソルの広報担当者は、コメント要請に応じなかった。

カーソルとxAIの関係はこれが初めてではない。xAIは3月、カーソルの元プロダクトエンジニアリングリーダーであるアンドリュー・ミリッチ(Andrew Milich)氏とジェイソン・ギンズバーグ(Jason Ginsburg)氏の2人を採用した。両氏はxAIのプロダクトチームを統括し、マスク氏とxAI社長のマイケル・ニコルズ(Michael Nicolls)氏に直接報告する立場にあると、Business Insiderは以前報じている。

xAIは最高のAIモデル構築を巡って競争する多くの企業の一つであり、業界最大級のデータセンターを保有する。マスク氏は2025年12月の全社集会で、より多くの計算能力をモデルのトレーニングに投入できるため、OpenAI(オープンAI)やアンソロピック(Anthropic)といった競合を上回ると述べた。

過去2年間で、xAIは「Colossus(コロッサス)」と名付けたプロジェクトのもと、データセンター規模を急速に拡大してきた。2025年、同社は約20万基のエヌビディア(Nvidia)GPUを保有していると発表し、マスク氏は将来的に100万基への拡張を計画していると述べている。

xAIのインフラチームでは幹部の交代が相次いでいる。先週、インフラ責任者のハインリヒ・キットラー(Heinrich Küttler)氏が退社した。同社はジェイク・パーマー(Jake Palmer)氏を物理インフラチームの責任者に据え、スペース(Space)Xのダニエル・ドゥエリ(Daniel Dueri)氏がコンピューティングインフラチームの責任者に就任した。

先週、xAI社長のニコルズ氏が社内メモで、AIトレーニング時のGPU使用効率を示す指標であるモデルFLOPs(フロップス)利用率(MFU)が約11%と「恥ずかしいほど低い」と指摘した。ニコルズ氏は今後数カ月以内に50%への引き上げを目指すとしている。比較として、AIインフラ企業のラムダ(Lambda)AIによると、大規模なAIトレーニングの多くはMFU35%〜45%で運用されているという。

ブルームバーグが3月に報じたところによると、カーソルは約500億ドル(約7兆9500万円)の評価額に向けた資金調達交渉を進めている。一方で、アンソロピックやオープンAIといった大手AIスタートアップがコーディング支援分野に積極的に参入しており、カーソルはその競争圧力に直面している。

3月、カーソルは大規模プロジェクト全体でコードの生成と編集を行うコーディングモデル「Composer 2」を発表した。同モデルは中国のスタートアップであるムーンショット(Moonshot)AIのオープンソースモデルをベースに構築され、開発者ユーザーベースから得られた独自データでファインチューニングされている。