メタは新たなAIモデル「Muse Spark」を発表した。Yves Herman/Reutersメタは新たなAIモデル「Muse Spark」を発表し、フェイスブックの親会社である同社の株価は上昇した。この発表を受け、ウォール街のアナリストからは強気の見方を示すリポートが相次いだ。それらのレポートでは、投資家心理や競争力、グーグルとの比較が取り上げられている。
メタ(Meta)は2026年4月、これまでで「最も強力」とするAIモデルを発表し、ウォール街はこれを前向きに評価している。
メタ(Meta)の新たな大規模言語モデル(LLM)は、一部のベンチマークではOpenAIやグーグル(Google)のGeminiの最先端モデルと競合し、さらに場合によってはそれらを上回る性能を示している。このメタの最新AIモデル発表を受け、JPモルガン(JPMorgan)、シティ(Citi)、バンク・オブ・アメリカ(Bank of America)など大手金融機関のアナリストから、強気の見方を示すリポートが相次いだ。

メタ社員に追加人員削減の不安広がる。「劇的すぎる」AIトランスフォーメーション、その中身 | Business Insider Japan
「Muse Spark(ミューズ・スパーク)」は、メタ・スーパーインテリジェンス・ラボ(Meta Superintelligence Labs)が開発した初のLLMであり、メタは今後さらに多くのLLMが登場すると示唆している。このモデルはメタが提供しているAIサービス上で利用可能であり、今後はワッツアップ(WhatsApp)、インスタグラム(Instagram)、フェイスブック(Facebook)、そしてメガネ型の端末であるスマートグラスにも展開される予定だ。
AIモデルに関する発表は、当初は2026年5月まで遅れるとの報道が出ていたが、投資家の予想よりも早いタイミングで行われた。
この発表があった2026年4月9日、メタの株価は8日の終値から約10%上昇した。
以下で、ウォール街のメタの最新AIの投入についての反応を紹介しよう。
「強気」を維持、低下していた期待が回復へ:JPモルガン
JPモルガンはメタのAIが発表されたのを受けて、メタ株に対して「強気」の投資判断を改めて示した。
「2025年第4四半期の決算や、2026年3月の経営陣の発言、さらにAIモデルの開発が遅れるとの見方や、その間はグーグルのGeminiを活用する可能性があるとの報道もあり、メタが最先端のAIモデルに到達する見通しについて、投資家の期待はかなり低下していた」とアナリストは記している。
さらに彼らは、「Muse Sparkが投入にされたことによって。メタがAIモデルの規模や性能を拡大していく見通しへの信頼が高まり、投資家心理の改善につながるはずだ」と付け加えた。
AI戦略の不透明感が解消、上昇への期待が高まる:シティ
シティグループのアナリストは、メタ株に対して買い推奨を維持している。
「メタがMuse SparkというAIの基盤モデルを発表したことで、メタ・スーパーインテリジェンス・ラボがどのようなAI戦略を進めているのかが、よりはっきり見えるようになった。また、発表が遅れるかもしれないことが大きな不安材料になっていたが、今回のAIの投入でその懸念は解消されたと信じている」とアナリストは記している。
メタの2026年第1四半期の決算発表を前に、シティは、メタのより大きなAI戦略に関する最新の動向に注目していると述べた。またシティのアナリストは、Muse Sparkの投入によって、メタのAI開発のサイクルが加速し、製品の投入ペースも早まる可能性が高いと指摘している。
アナリストらは、メタ株の目標株価を850ドルとし、4月10日時点の株価から48%の上昇余地があると見ている。
「最初の一歩」が株価上昇につながる可能性も:バンク・オブ・アメリカ
バンク・オブ・アメリカは、Muse Sparkを「メタの新たなLLMの展開における大きな第一歩」としている。
「メタは2026年を通じてLLMの性能を大きく引き上げていく計画を示しており、今後AIモデルの投入を重ねていく中で、段階的に性能が向上していく余地があることを示している」
「メタはグーグルの親会社アルファベット(Alphabet)株と同じような道をたどる可能性があり、AIモデルの進展が想定以上に進めば、それが投資家の見方を前向きなものに変えるとみている」とアナリストは述べている。
「メタのAI分野は大きく伸びる可能性があり、広告事業の伸びも業界平均を上回っており、AI投資を支える強固な財務基盤もあることを踏まえると、同社の現在の株価は割安と見ている」
AI競争での前進と収益化への期待:米国みずほ証券
米国みずほ証券は、予想よりも早いタイミングでAIモデルが発表されたことは、メタにとって、AI競争における前向きな材料であるとの見方を示している。
「利用の拡大、特にショッピング機能の利用が進めば、大きな収益化の可能性が開けるとみている」と米国みずほ証券のアナリストは指摘している。
アナリストはさらに、「今回の大規模な投資について投資家に納得してもらうためには、メタAIのチャットボット以外に自社のAIモデルをどのような製品として展開し、どう収益につなげるのかを、より具体的に示すことが重要になる」と付け加えた。
米国みずほ証券は、メタが決算発表前にMuse Sparkを投入したことで、決算に向けた流れが良くなったとしている。
AIモデル発表で安心感、ただし成果には時間も:ウィリアム・ブレア
アメリカの投資銀行・証券会社、ウィリアム・ブレア(William Blair)のアナリストも、この発表を受けてメタ株に対する強気の見方を示している。
「メタがこれまでの遅れや批判を経て新たなモデルを発表したことで、我々は投資家に一定の安心感をもたらしたと考えている」とアナリストは記している。
ウィリアム・ブレアのアナリストは、「今後AIモデルの性能向上や利用の広がりが進めば、メタにとってプラスに働き、巨額のAI投資が無駄ではなかったことを示すことになる」と述べている。一方で、「このAIが開発者に広く使われるようになり、性能が少しずつ改善していくまでには時間がかかる」とも指摘している。

メタの報酬実態:エンジニアやAI研究者はいくら稼ぐのか | Business Insider Japan
