実の父親から性的暴行を受けたと訴えている、福山里帆さん(24)が12日に初めて会見を開き「同じ思いで苦しむ人が声を上げるきっかけになれば」と話しました。

■父親から性的暴行 実名で訴え

福山里帆さん
「ここが当時、被害に遭っていて、自分が生まれた時から高校卒業まで住んでいた家です」

この家の寝室で、実の父親から性的暴行を受けていたといいます。

福山里帆さん
「無感情というか、自分の魂が抜けたようになるのかなと、その時の経験を通して思う。家族や親族に話したいけど、話したらいけないことだなとか。自分1人で抱えていかないといけない問題になっていたので」

中学2年から高校2年まで、決まって母親のいない時を狙われたといいます。家庭内では逃げ場がありませんでした。

福山里帆さん
「中学1年生のころから、胸を触られたりとか太ももを触られるなど、そういったことはあったけど。その後、実際に性交を強要されるということで。私としては拒否できない状況で、父からの性交を受けていたような状態」

結果として性的暴行が終わったのは、思い切って助けを求めたから。高校で保健室の先生に性被害を打ち明けると、児童相談所に通報してもらえ、一時保護されました。

福山里帆さん
「私が保健室にいるのは何か理由があるからと。そういうふうに見て下さったのかなと感じて。『こういう事情があって今苦しい』と信頼して話すことができた」

■準強姦の疑いで父親逮捕

その後、東京の大学に進学しましたが、どうしても過去を断ち切れません。前を向いて進むため、22歳になって初めて、父親を問いただしました。その時の音声です。

里帆さん
「悪いと思ってる?」
父親
「思ってる」
里帆さん
「どう悪いと思ってるの?何をして悪いと思ってるの?」
父親
「そういうことをした」
里帆さん
「そういうことってどういうこと?あなたの言葉で言ってよ」
父親
「性的な対象として、そういうようなことをしたことを悪かったと思ってる」
里帆さん
「どうして私なの?私は子どもだったからなのかなと」
父親
「強いて言うなら、近くにいたからかもしれない」

弁護士によると、その後の話し合いで自首することを拒まれ、家族内での解決は不可能だとして、去年6月に父親を刑事告訴しました。そして今月6日、父親は準強姦の疑いで逮捕されたということです。

富山県警は、被害者の保護を理由に逮捕した男の氏名など詳細を公表していません。

福山里帆さん
「父として仕事とか尊敬できる部分、幼い時はやっぱりあったので、少しそれを見せてほしい。どうしても血のつながりは断てないので、いまだに血がつながっていることに苦しいこともあります。少しでもそう思わなくて済むよう、自分で認めてほしい」

■「家庭内の性被害知ってほしい」

里帆さんは新たな人生を歩み始めています。全てを打ち明けた福山佳樹さん(43)と去年、家庭を築きました。

里帆さんの夫 福山佳樹さん
「彼女が私に対して『死ぬ日を1日1日延ばしてきた』と出会った日に言っていた。よく私と出会うまで生きてくれたなと」

ただ、出会った後も、感情が不安定になって自殺を図ったことがあるといいます。今、里帆さんが訴えたいこと。

福山里帆さん
「一番言いたいことは、恐らく私だけじゃなくて、自分の周り他の方の周りにも家庭内で性暴力にあった方、あっている方はいると思う。見えないだけで。不安だとは思うんですけど、周りの大人だったり、サポートしてくれる方にまずは相談してみて。心の被害も少し軽くなりますから。言って助けを求めて、1日でも早く終わらせられるようにしてほしい」
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