遠隔診療へ 医療機器を搭載した専用車『柴三郎号』お披露目【熊本】 (24/01/29 19:00)

阿蘇郡小国町と南小国町で作る『小国郷公立病院組合』は、医療機器を搭載した専用車で遠隔診療を行う新たな事業を始めます。29日は、その専用車『柴三郎号』が関係者に披露されました。

小国町や南小国町では民間の診療所が閉院するなど医療機関の減少や慢性的なスタッフ不足が課題となっています。

そんな中、去年6月に閉院した小国町の診療所にサテライト診療所を開設し患者を受け入れています。

この診療所を拠点に29日から新たに始めたのが遠隔オンライン診療。遠隔診療の専用車『柴三郎号』が導入されました。

車内には血圧計やポータブルエコーのほか、医療ベンチャー企業が開発した最新の検査装置『心音図検査装置』が搭載されています。

胸部に当てるだけで心電や心音を同時に計測でき、遠隔で診療する医師が可視化されたデータを確認することができます。

内装には小国杉が使われていて、外装は北里 柴三郎のイラストが描かれています。

29日は、北里柴三郎の誕生日でもあり、ひ孫にあたる記念館の北里 英郎 館長がデモンストレーションに参加しました。

【デモンストレーションに参加した 北里柴三郎記念館 北里 英郎 館長】
「リラックスできていなかったので、血圧高めに出た。快適に医師とコミュニケーションをとることができ、すばらしい事業だと思う」

『柴三郎号』は看護師が同乗。通院困難な患者が集まる地域の施設や公民館などを回り、サテライト診療所の医師が診療を行います。

2月から、まずは週2回、4カ所を回って、最終的には10カ所で診療を行うということです。

【『柴三郎号』の導入を進めた小国公立病院片岡恵一郎病院事業管理者】「オンライン診療車が日本に広がるとよりよい形の医療を届けることができる。町の人のためになるから、うれしい」

サテライト拠点の整備や専用車の導入などの事業費は約8400万円で、このうち半分は国の交付金が活用されます。