愛知県内の「住みたい街」と「住みここちがいい街」のランキングが発表されました。そこで、このデータの集計・分析にも関わった麗澤大学教授の宗健さんに詳しく話を聞きます。

名古屋市の本山エリアが順位を上げる

――まずは今回の調査で上位の変動がなかったことについては、どのように分析されていますか。

上位は長久手市ですね。点数を見ても長久手市はほかよりも抜けて評価が高いです。新型コロナの変化も関係なく、安定的な上位となっているのが大きな理由になっています。

――順位が変わったエリアとしては、名古屋市営地下鉄「東山線」の星ヶ丘や覚王山といった本山のエリアが順位を上げました。これについてはどのように考えますか。

今回の調査は2023年3月に実施しました。この時期はそろそろも新型コロナも落ち着いてきたのではないか、という雰囲気が世の中に出てきた頃です。住んでいる人たちも、新型コロナがだいぶ落ち着いてきたので、少し人も多いけれど都心に近いので住み心地は良いのではないかと考えて、評価が再度上がってきたのではないかと思います。

また、長久手市の評価の高さは電車に乗るより車の生活の方が大きいので、新型コロナに対しての影響が少なかったのだと思います。星ヶ丘駅付近になると電車を利用する比率が上がります。電車移動による新型コロナが心配という考えから少し下がっていた評価が、再度持ち直してきたのだと思います。

――名古屋市東区の高岳もランクアップしましたが、その理由についても教えてください。

高岳の近辺は、マンションが多く供給されているので人がどんどん入ってきています。人の移動が多いエリアや人が増えているエリアは、住み心地の評価が高くなるという分析結果が出ています。

「近所付き合い」よりも適度な距離感を求める傾向か

――人が増えている、人の動きが活発なエリアの方が、住み心地はよくなるのでしょうか。

住み心地の大きな要素には「親しみやすさ」という要素があります。近隣の人たちとのコミュニケーションの度合い、コミュニティーの度合いと同じになりますが、人が増えている場所や人の移動の多い場所のコミュニティーには適度な距離感があります。そういった近所づきあいも少ない自由さを、若い世代の人は好みます。適度な人間関係でプレッシャーの少ない環境をつくっているので、住み心地の評価を押し上げているという分析結果が研究成果として出ています。

――これまでの街の親しみやすさというのは、助け合うことや近所の方が優しいということが評価になっていたかと思います。比較的年齢を重ねた方の価値観にも変化はありましたか。

地域によって年齢ごとの地域評価は違いますが、若い世代に限らず近所づきあいの煩わしさは全国共通で感じられているようです。調べてみると、「イベントは好きだが行事は嫌」といったコメントがフリーコメントとして出てきます。イベントというのは「参加者」という立場です。お客さんとして参加すれば良いものになります。一方で行事は、「みんなで準備をして片付けをする」必要があります。旧来のコミュニティーはこうして行事を支えてきましたが、そういったことはできれば避けたいという人たちがすべての世代で少しずつ増えているのではないかと思います。

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