ロウ・イエ監督最新作『サタデー・フィクション』が11月3日(金・祝)より、ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館、シネ・リーブル池袋、アップリンク吉祥寺にて全国順次公開される。

太平洋戦争開戦前夜の魔都上海
日本海軍少佐と女スパイの偽りの愛と策略の7日間の物語

中国に生きる若者の心情を瑞々しく、過激に描き続けてきた映画監督ロウ・イエ。『ふたりの人魚』(2000年)、『天安門、恋人たち』(06年)、『スプリング・フィーバー』(09年)など、映画史に残る数多くの名作を世に送りだした彼が最新作で選んだ題材は、太平洋戦争が勃発する直前の魔都、上海。世界各国の諜報員が暗躍していた時代を舞台に、人気女優とスパイの二つの顔を持つ主人公を中心に据え、当時上海の中心とされていた現存する劇場「蘭心大劇場」で巻き起こる愛と謀略の物語を美しいモノクロ映像で描き出す。2019年の第76回ベネチア国際映画祭コンペティション部門に正式出品を果たした話題作がついに日本でも公開を迎える。

諜報員という裏の顔をもつミステリアスな人気女優の主人公ユー・ジン役には、ディズニー・アニメーション『ムーラン』の実写版などハリウッドでも活躍する、中国を代表する女優のコン・リー。日本軍の暗号通信の専門家・古谷三郎に扮するのは、中国でも高い人気を誇るオダギリジョー。さらに、オダギリ演じる古谷の護衛・梶原には出演映画の公開が続く中島歩。

 その他、海外ドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』『ストレンジャー・シングス 未知の世界』で知られるトム・ヴラシア、『エディット・ピアフ~愛の讃歌~』のパスカル・グレゴリー、台湾の国民的人気俳優マーク・チャオら国際色豊かなインターナショナルキャストが名を連ねる。

 この本編映像は、オダギリジョー演じる海軍少佐・古谷三郎が、講義室で日本軍の暗号を解説するシーン。古谷少佐は新たに更新された海軍の暗号を教えるため上海に上陸し、共同租界で働く日本の職員たちに講義をする。最初は流暢にスピーカーから流れる暗号を説明する古谷だが、映像の終盤では“鎌倉”と“山桜”という隠語に言葉を詰まらせ、この単語が物語を大きく左右するキーワードであることを予感させる。果たしてこの二つの言葉の本当の意味とはいったい何なのか、そして古谷と日本の運命はどうなっていくのか…。

『サタデー・フィクション』
監督:ロウ・イエ
出演:コン・リー、マーク・チャオ、パスカル・グレゴリー、トム・ヴラシア、ホァン・シャンリー、中島歩、ワン・チュアンジュン、チャン、ソンウェン/オダギリジョー
2019年/中国/中国語・英語・フランス語・日本語/126分/モノクロ/5.1ch/1:1.85/日本語字幕:樋口裕子
原題:蘭心大劇院/英題:SATURDAY FICTION/配給・宣伝:アップリンク/(C)YINGFILMS