「コロナ後遺症に使う漢方薬」についてわかりやすく解説した動画です。

新型コロナウイルス感染症後の体調不良やさまざまな症状などでお困りのかたがいらっしゃいます。いわゆるコロナ後遺症の治療手段のひとつに漢方薬があります。体全体の調子を整えて症状をよくする漢方薬を症状ごとに分けて紹介します。

呼吸器症状

① 痰絡みの咳が続く
のどや気管支の炎症を鎮める小柴胡湯(しょうさいことう)と痰絡みの咳を抑える麻杏甘石湯(まきょうかんせきとう)を併用します。気管支喘息で使用する気管支拡張剤や吸入薬と合わせて使うこともあります。

② 乾いた咳が続く
のどを潤す生薬である麦門冬を含んだ麦門冬湯(ばくもんどうとう)を使用します。痰が絡まない乾いた咳(空咳)が長引いて体力が落ちてしまったときには、疲労回復効果のある補中益気湯(ほちゅうえっきとう)を併用した味麦益気湯(みばくえっきとう)として服用します。

③ 咳が続いて胸が痛い
長引く気道の炎症を鎮める小柴胡湯(しょうさいことう)とみぞおちのつかえ感や食欲不振を抑える小陥胸湯(しょうかんきょうとう)がひとつになった処方である柴陥湯(さいかんとう)を使用します。

精神・神経症状

① 記憶障害・頭がぼんやりする
思考力・記憶力・集中力が落ちたなど、頭の中に霧がかかったような症状(ブレイン・フォグ)には、人参養栄湯(にんじんようえいとう)を使います。構成生薬である(朝鮮)人参が体力を回復させ、遠志(おんじ)は気持ちを落ち着かせ、脳神経細胞を保護する働きがあります。

② やる気が出ない・眠れない・うつうつ気分
コロナ感染後から仕事や家事をする気がしない、眠れない、気分が落ち込むなどの症状がある場合に使う加味帰脾湯(かみきひとう)は、補中益気湯(ほちゅうえっきとう)や人参養栄湯(にんじんようえいとう)と同じく、体力を回復させる人参と黄耆(おうぎ)を含んだ参耆剤(じんぎざい)と呼ばれる漢方薬です。

③ 嗅覚・味覚障害
新型コロナウイルス感染第一波の時から報告されている罹患後の嗅覚・味覚障害には、当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)を使用します。神経機能の回復を促すビタミン剤と併用することが多いです。

「読谷紅いもクリニック」では、コロナ後遺症でお困りのかたの症状に合わせて、西洋薬と漢方薬を組み合わせた治療をおこなっています。お気軽にお声掛けください。