君の眼が問いかけている

BTSの映画があるということですが、今回はBTSの曲が主題歌の映画を再鑑賞

といっても偶然アマゾンプライムビデオのオススメで出てきたのが、
「きみの瞳が問いかけている」

検索関係のAIは怖いもので、最近の横浜流星検索結果と今回のBTS検索の結果が反映されたような予感……

もともとから好きな映画…というか
三木孝浩監督作品ということで劇場でも鑑賞済みで、過去にも紹介済み

三木孝浩監督は徳島県阿波市出身
「ソラニン」で長編デビューしていらい、青春系映画の名手として手腕を振るっています。

ソラニン(10年)
僕等がいた 前篇・後篇 (12年)
陽だまりの彼女(13年)
ホットロード(14年)
アオハライド(14年)
くちびるに歌を(15年)
青空エール(16年)
ぼくは明日、昨日のきみとデートする(16年)
先生!、、、好きになってもいいですか?(17年)
坂道のアポロン(18年)
フォルトゥナの瞳(19年)
思い、思われ、ふり、ふられ(20年)
きみの瞳が問いかけている(20年)
夏への扉 -キミのいる未来へ-(21年)
今夜、世界からこの恋が消えても(22年)
TANG タング(22年)
アキラとあきら(22年)

最近では
「今夜、世界からこの恋が消えても」
が韓国でも大ヒットしているということで、次回作がとても楽しみ

そんな三木孝浩監督が2020年に監督した作品。
主演は吉高由里子と横浜流星

この映画はもともとはチャプリンの「街の灯」をベースに作られた韓国映画「ただ君だけ」が原作になっている

この「ただ君だけ」よりチャップリンの「街の灯」をぜひみてもらいたい

偶然の出会いから花を売る盲目の少女と出会い心惹かれる浮浪者のチャーリー
彼は清掃業で稼いだ金を花売り娘のためにつかう。
八百長ボクシングや金持ちを襲う強盗に間違われるなどしたチャーリーは警察に捕まってしまう
数年後 街に出たチャーリーは生花店の少女と再開する
彼女に手元にあったお金を差し出すが彼女は目が見えるようになっていた

この映画のラストはいろいろな解釈ができる名映画

この
「きみの瞳が問いかけている」
ロマンス映画としては王道中の王道であるからこそ、フイクション的要素が強いものが苦手な人は苦手かもしれないね

物語は
盲目となってしまった明香里(吉高由里子)が馴染みのパーキング雇われ管理人の塁(横浜流星)と偶然の出会いをするところからスタートする

塁の過去も見た目も気にせずに接する明香里に気持ちが近づく塁の距離感の取り方がとても純粋で尊い。

しかし 明香里が失明した原因が塁の過去と関係していたことを知った彼は賭博の格闘試合に参加するのだが…という展開

韓国での作品が原作ということもありベタ的な展開なのはご愛嬌といったところか?

そして吉高由里子だが
盲目の女性役を演じた演技力はさすがとしかいえない
眼が見えなくなったからこその不安とその環境を受け入れて慣れてきたからこその生活感。
しかし やはり見えないことによる不安など、感情の揺れ動きの演技は魅入ってしまうという一言。
眼が見えなくなったからこそ判ることがあるんです
といった台詞があるが、これは実際に視覚障害者の方から聞いたことがあるので、個人的にはとても始まってすぐに、明香里(吉高由里子)からこのセリフが出たことはこの映画に1歩踏み込むことができたところかもしれない

そして横浜流星の落ち着きのなかの落ち着きの演技
彼が生まれて初めてパーマをかけたというチリチリでボサボサの髪型で登場するオープニングから影のある雰囲気を出している。
この影のある雰囲気は明香里(吉高由里子)とのギャップ感は最初から活きているといえる。

あとはやはり極真空手・格闘技経験があるからこその、横浜流星くんの格闘シーンは見応えあり
三木孝浩監督がアクション作品を撮った経験がなかったゆえの不安感はあったが、見事なカメラワークで撮りきっている。
さすが学生時代に数多の映画を観てきている監督だけある。

この2人の演技の良さからどんどん物語に引き込まれていくと、病院の再会シーンでは涙がでるひとも少なくないだろう。
あそこの、明香里に声をかけたくても声を出せない塁の哀しみの演技はとても良かった

ラストはハッピーエンドというのが解釈次第でハッピーエンドともバッドエンドとも取れる「街の灯」とは明確に違うところだが、こういったロマンス映画はハッピーエンドで終わってくれるのが個人的には嬉しい限り

もっと深みにハマりたい人はBDなどに収録されているオーディオコメンタリーを聞くと、より面白さと映画の裏側を知ることができるのでオススメです

やはり三木孝浩監督監督はシンプルかつ素直に観るのが一番