寒さが緩み、花粉の悩みが聞こえる季節になりました。「花粉」と「新型コロナ」どうやって見分ければいいのか。特に今年は、ワクチン接種の時期と重なっていますが、花粉症対策とワクチンの併用は問題ないのか、専門家に聞きました。

 この時期、多くの人が悩まされる「花粉症」。ウェザーニューズによりますと、東海3県の、今年の花粉の量は平年並みと予想されています。

 飛散ピーク予想は、スギ花粉が3月中旬ごろ、ヒノキの花粉が4月中旬ごろとなっていて、ヒノキの花粉は5月頭ごろまで続くと予想されています。

 この「花粉症」。医師や専門家からは、症状が、「新型コロナ」と似ていると指摘されています。

医師「花粉症と軽いコロナの症状は区別がつきにくい」慎重に診察

 名古屋市中村区の「柊みみはなのどクリニック」には、朝から花粉症の患者が診察に訪れていました。

 先週から、「鼻水」や「目のかゆみ」など花粉症の症状を訴える患者が徐々に増えてきたと言います。

「元々花粉症がある人で鼻水や目のかゆみだけというのであれば、花粉症の可能性が高いと思います。今までそういうことがなかった今年から花粉症になったのか、軽いコロナ感染かは、厳密にいうと区別がつきにくいところはあります」(柊みみはなのどクリニック名古屋駅前院 代田桂一院長)

 「鼻水」や「くしゃみ」「せき」など、新型コロナと花粉症の症状は似ている部分が多く、慎重に診察を行わなければならないと言います。

「高熱が出ることは、花粉症だけでは滅多にないけれど、鼻づまりがひどいと頭が重くなることはあります。(以前)咳や咽頭痛がけっこうある患者がいて、コロナを疑って検査が可能な病院をすすめたこともあります」(代田桂一院長)

花粉症患者「くしゃみをするとコロナと疑われる」 医師「誤解をとくためにも早めの治療を」

 花粉症患者に話を聞いてみると、コロナ禍ならではの悩みを抱えていました。

「(花粉症の症状が出た)最初は不安な気持ちになりました。鼻水をずっとズルズルしていると皆が不快な気分になるかもしれないので、なるべく鼻はかむようにしています」

「(症状は)鼻水、くしゃみ、目のかゆみです。マスクはしてると言えど、くしゃみがでると周りの人にコロナと疑われるのはしょうがないなと思うので、早めに薬を飲んでくしゃみの症状を抑えて、自分の症状の軽減にもつながるし、周りの人の不安が解消されると思っています」

 「柊みみはなのどクリニック」の代田院長は、周りに新型コロナと誤解されないためにも、花粉症の症状を抑える、早めの治療を呼び掛けます。

「花粉症は早めに治療することで花粉症の症状を軽く抑えられるので、早めに花粉症の薬を使うことをお勧めします。そうすると花粉症の症状が軽くなるので、(花粉症の)治療をしていても鼻か喉の症状がひどくなる場合、花粉症以外のコロナはじめとした、合併症がより疑われます」(代田桂一院長)

花粉症を抱えながら、コロナのワクチンを接種することに問題は?

 今年に入って、進められている新型コロナの3回目のワクチン接種。

 実際に、花粉症を抱えながら、新型コロナのワクチンを接種することに問題はないのでしょうか?専門家に話を聞くと…

「仮に花粉症ということで、治療で薬を処方された場合は、『そのお薬を飲んでいる間はワクチンを接種できない』『ワクチン接種を延期したほうがいい』ということはございません。その時の体調に合わせて考えていただければと思います」(国立病院機構 三重大学病院 菅秀副院長)

 三重病院の菅先生によりますと、基本的にワクチンの抗体と花粉症の薬は関係がないため、花粉症の薬を飲んだことで、ワクチンの効果が落ちたり副反応が強くなるようなことは、ないということです。

 副反応を抑えるための薬の服用などについても…

「基本的に頭痛薬や解熱剤と花粉症の薬と一緒に飲んでも問題ありませんので、そこらへんは普段の考えと同様でワクチンを接種したから、特にこの薬は飲めなくなるということはないと思います」(菅秀副院長)

 一方で、菅先生は、少しでも新型コロナの心配などがある場合はPCR検査や抗原検査をして医療機関とよく相談するように、と呼びかけています。

 花粉症の人にとって、気になるのことの一つが「これは、花粉症なのか?それとも、新型コロナなのか?」ということではないでしょうか。

 共通するのは「鼻水やくしゃみ」といった症状です。

 「だるさ」「発熱」「のどの痛み」「せき」「頭痛」といった症状は、新型コロナでは、一般的で、花粉症では、あまり見られないということです。

 一方で「目のかゆみ」は、花粉症が一般的ということです。

 新型コロナに感染した場合、まれに、結膜炎に似た症状が出るケースもあります。

 手にウイルスが付着していると、目をこすった時に感染することもありますし、目の周りが炎症を起こして、さらに症状が悪化することもあるので、目薬をしてください。

(2月28日 15:40~放送 メ~テレ『アップ!』より)