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✍    激動の幕末から明治初期を生き、武士の魂と商人の才を持った実業家・五代友厚。五代とその仲間たちを描いた映画『天外者』は2019年10月~11月にかけて制作され、三浦春馬さんが五代役を熱演した。三浦さんがアフレコで「僕、この時の気持ちを思い出しちゃって、ちょっと感極まっちゃいましたよ」と語ったシーンとは。監督の田中光敏さんに話を聞いた。(全2回の1回目/ #2 へ続く) ◆ ◆ ◆ ■若いスタッフやキャストの“勢い” ――制作までの経緯をお聞かせください。 田中 3年くらい前に、“五代友厚プロジェクト”という市民団体から「五代友厚の映画を作りたいのでぜひ監督を」とお話をいただいたのがきっかけです。でも、返事をするのに半年ほど悩みました。というのも、恥ずかしながら五代友厚という人物をあまり知らなかった。朝ドラの『あさが来た』でディーン・フジオカ君が五代を演じていますが、それを観て得たくらいの知識しかなかった。さすがにそれではまずいと思って、まずは勉強をさせてもらいました。いろいろ資料を当たっていくうちに「あぁ、こんな人がいたのか」と。  同じ薩摩にいた西郷隆盛は武士であることを頑なに守ったけど、五代は彼とは対極の存在だったんですね。侍を捨て、新政府に仕え、民にまで下って時代を変えようとした。あの時代のある種の既成概念を壊しながら、若い力でこういうことをした人がいたんだということを伝えたくなりました。この捉え方で物語を作るなら脚本には『利休にたずねよ』(13)や『海難1890』(15)でご一緒させていただいた小松江里子さんしかないと思って、彼女に僕の考えを伝えたら「やりましょう」と言っていただいて。プロジェクトの方々に小松さんと組めるならばと打診したところ、是非ということで引き受けさせてもらいました。 ――テーマや視点だけではなく、スタッフやキャストの顔触れにも監督の考えが反映されているのでしょうか? 田中 小松さんとは重たい時代劇ではなく、若い方たちにも受け入れられるようなスピード感に溢れた時代劇にしようという話をしまして。スタッフもキャストも時代劇が初めてという若い人を迎えさせてもらいました。新しい時代が作り上げられていく転換点を描いているし、青春群像劇でもあるので、そうした勢いを彼らからもらいたかったというところはあります。 ■五代は春馬君しか考えられなかった  …
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