「Claude」でコードを1行も書かずに11日間で有料アプリを作った方法 – ZDNET Japan

 2026年9月20日の昼頃、筆者はある「Mac」アプリのアイデアを思いついた。それから1週間後の同27日の昼頃、完成したアプリをAppleに提出した。4日後、Appleはそのツールを承認し、「App Store」で公開された。

 本稿は、米ZDNETの編集者から思わぬ依頼、幸運な偶然、そしてバイブコーディングの真骨頂が生み出した物語だ。その始まりは30年前、膨大なアイコンのライブラリーにまでさかのぼる。

アイコンは私にとって恵みだった

 筆者が最初のソフトウェア会社を設立した際、最初に投入した製品の1つがHyperCard用の「Icon Factory」であった。数々の賞を受賞したこの製品は、会社と従業員を何年も支え続けた。当時のアイコンは、HyperCardと同様に全てモノクロであった。

 1997年、カラフルな「Finder」のデスクトップアイコンを求める顧客からの要望を受け、32×32ピクセルのカラーアイコンを集めた3巻構成の「Icon Gallery」をリリースした。これは2000点以上のアイコンを収録したパッケージ製品であり、店頭販売、通信販売、ダイレクトメールを通じて販売された。

アイコンギャラリーのオリジナルボックスと筆者が開発、公開したばかりのアプリ(提供:David Gewirtz/ZDNET)
アイコンギャラリーのオリジナルボックスと筆者が開発、公開したばかりのアプリ(提供:David Gewirtz/ZDNET)

 Icon Galleryは、筆者が手がけた最後のパッケージソフトウェア製品の1つだった。いつ、どのような理由で販売を停止したかを正確には覚えていないが、物理的なパッケージ製品の製造をやめた時期と重なっていたと思う。その決断はもちろん、ウェブの台頭に伴うものであった。

 さて、話を数カ月前に進めたい。オフィスの収納スペースを整理していた際、Icon Galleryを含むいくつかの古いソフトウェア製品のパッケージが見つかった。箱を棚に置いたまま、再びその存在を忘れていた。

 9月のこと、2026年のiPhone新製品発表イベントに合わせて、ZDNETの編集者からAppleの歴史に関する連載記事の執筆を依頼された。記事の執筆中、1980年代後半に制作したMac用AI製品のスクリーンショットやパッケージ画像をサーバー内から探していた。

 目的の画像は見つかったが、同時に30年前の「Macromedia Director」のファイルも発見した。そこにはIcon Galleryの全2338点のアイコンが格納されていた。1990年代半ば、筆者はIcon GalleryのアイコンをDirector形式に変換し、アセットライブラリーとしてアニメーター向けに販売していた。DirectorはCD-ROM全盛期に広く使われていたが、HyperCardなどのヴィンテージアプリと同様、Macの歴史へと姿を消していた。

 しかし、その30年前のファイルは、すでに使われなくなったフォーマットのままで、「Mac Studio」のデスクトップに保存されていた。まるで古代のミイラの墓を暴く考古学者のような心境であった。

Claudeは私の友人

 筆者はその古いファイルを「Claude」に引き渡した。「このファイルは古いMacromedia Directorのファイルで、大量のアイコンライブラリーが入っています。アイコンを個別のフォルダーに分解できますか?」と、シンプルなプロンプトを入力した。

 Claudeは文句も言わずに作業を引き受けた。Directorファイルが古過ぎて処理できないと不平を言うこともなく、出力するファイル形式と白色の縁のピクセルを透過処理するかどうか尋ねるのみだった。

 ログに見ると、このプロセスは30ステップ、4分30秒で完了した。コーヒーを入れるよりも短い時間で、トピック別のフォルダーに整理された2000点以上のPNG画像が手に入った。抽出されたビットデータをPNGファイルへ容易に変換したClaudeの能力には驚いた。

 この出来事は9月2日だ。しかし、アイコンの具体的な活用計画はなく、デスクトップのフォルダー内に置いただけだった。

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