アンソロピックは早ければ2026年秋にも新規株式公開(IPO)を実施すると見られている。AnthropicアンソロピックのH-1Bビザ(特殊技能職向けビザ)申請書類から、同社がトップクラスのAI人材を確保するためにいかに競争力ある報酬を提示しているかが明らかになった。データによると、同社のテクニカルスタッフの2人が100万ドル(約1億6250万円)を超える基本給を受け取っている。同社の企業評価額は1兆ドル(約162兆5000億円)近くに上っており、従業員は高額な給与と急騰する株式報酬の恩恵を享受している。
AIの巨人・アンソロピック(Anthropic)は一部従業員に対し、基本給だけで100万ドル(約1億6250万円、1ドル=162.5円)を超える金額を支払っていることが、新たなデータで明らかになった。

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アンソロピックは早ければ2026年秋にも新規株式公開(IPO)を実施する可能性がある。サンフランシスコに本拠を置く同社は1兆ドル(約162兆5000億円)規模とも言われるIPOに向けてこの1年で採用を加速し、従業員に対して最高水準の待遇を維持してきた。
同社がH-1Bビザ(高度技術職に発給するアメリカの就労ビザ)取得を支援した従業員に関する連邦政府への申請書類は、従業員に提示されている破格の報酬パッケージの実態を垣間見せてくれる。
直近の申請書類で特に際立っているのが、2人の給与だ。いずれも「メンバー・オブ・テクニカル・スタッフ(Member of Technical Staff)」というAIラボ(AI企業)でよく使われる職名で、一方は基本給112万ドル(約1億8200万円)、もう一方は同138万ドル(約2億2425万円)となっている。
この破格の報酬は、熾烈な人材獲得競争の産物だ。メタ(Meta)やグーグル(Google)、オープンAI(OpenAI)といった競合他社は、トップエンジニアの獲得と引き留めにしのぎを削っており、法外な報酬パッケージを「必要経費」として投じている。
アンソロピックは「メンバー・オブ・テクニカル・スタッフ」という職名を極めて広範囲に使っているため、申請書類だけでは彼らが具体的にどのような業務を担っているのか把握することはできない。その類まれな技術的能力を買われて引き抜かれたトップクラスのAI研究者かもしれないし、話題のAIラボへの転身を決断した経験豊富な経営幹部の可能性もある。
アンソロピックは2026会計年度の第1・第2四半期合わせて、約80件のH-1Bビザを認定取得した。このプロセスに伴う連邦政府への申請書類には、海外出身の従業員に対して提示している基本給の金額が記載されている。
ただし、そこにはボーナスや株式報酬は含まれていない。株式報酬が総報酬の大部分を占めることが多いことを考えれば、2026年5月にアンソロピックの企業評価額が急騰し、9650億ドル(約156兆8125億円)に達した影響は火を見るよりも明らかだ。それでも、申請書類に記載された基本給の水準を見るだけで、同社がなぜビジネス界でいま最も人気の高い就職先の一つとなっているのかが十分理解できる。

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人材獲得競争激化にともない、主要AI企業は海外からの採用を一段と強化している。
Business Insiderが以前報じたように、2026会計年度の第2四半期、複数の大手テック企業がH-1Bビザ申請を絞り込んだ一方、アンソロピック、オープンAI、エヌビディア(NVIDIA)はいずれも申請件数を増やした。人材獲得競争は過熱の一途をたどっており、AI研究者が数百万ドル規模の報酬パッケージを交渉して勝ち取るケースも珍しくなくなった。
そうしたなかで、アンソロピックは大きな強みを持っている。急騰する評価額のおかげで、入社からわずか数年の従業員でさえ、彼らが保有するストックオプションの価値が数百万ドル規模に膨れ上がっているからだ。
シグナルファイア(SignalFire)が昨年公表した分析によると、アンソロピックはほかのAI企業と比べて従業員定着率が高いことが明らかになった。また、最近ではグーグルから研究者を引き抜くなど、人材獲得競争でも目立った成果を上げている。
アンソロピックは今回の件に関してコメントを控えた。
話題のAIツール「Claude」を手掛ける同社は、主要な職種にどれだけ報酬を支払っているのか。その実態を紹介しよう。
メンバー・オブ・テクニカル・スタッフの基本給
メンバー・オブ・テクニカル・スタッフ:13万3952ドル(約2177万円)〜138万ドル(約2億2425万円)
メンバー・オブ・テクニカル・スタッフ(マネージャー):13万4139ドル(約2180万円)〜85万ドル(約1億3813万円)