Claude Fable 5は指示されなくてもブラウザまで開いてバグを追う「容赦なく積極的」なAI – GIGAZINE

2026年06月12日 22時00分
AI


Anthropicの新しいAIモデル「Claude Fable 5」について、開発者のサイモン・ウィリソン氏が「容赦なく積極的」と表現するほど自律的に動いたデバッグ事例を報告しました。

Claude Fable is relentlessly proactive
https://simonwillison.net/2026/Jun/11/fable-is-relentlessly-proactive/


Claude Fable 5は、Anthropicが2026年6月9日に発表した「Mythosクラス」の一般向けモデルです。限定提供の「Claude Mythos 5」と基礎部分は同じですが、Fable 5にはサイバーセキュリティや生物学・化学などに関する安全対策が組み込まれています。強力なモデルを一般利用しやすくするため、安全装置を施したバージョンという位置づけです。

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ウィリソン氏がデータ分析ツール「Datasette Agent」を使用していたところ、ジャンプメニューに表示されるチャット入力欄に不要な横スクロールバーが出ていることに気付きました。特定のブラウザだけ表示が崩れる、外部ライブラリを使った部品だけ挙動がおかしい、CSSを少し直しただけでは別の表示が崩れるといったウェブアプリの不具合は、コードを眺めるだけでは原因を特定しにくいもの。人間の開発者であれば、複数のブラウザで再現するか確認し、表示サイズやCSSの影響を調べ、必要に応じて検証用コードを書くことになります。

ウィリソン氏はClaude CodeでClaude Fable 5を使う新しいセッションを開き、スクリーンショットを渡して「依存関係を見て、なぜ横スクロールバーが出ているのか調べて」と指示しました。

ウィリソン氏の事例では、Fable 5が推測だけで答えようとしなかった点が特徴的でした。Fable 5はローカル開発サーバーの起動方法を見つけ、Playwrightというブラウザ自動操作ツールでChrome、Firefox、WebKit版ブラウザを試しました。Playwright上で問題を再現できないと、検証用HTMLを作り、実際のFirefoxやSafariでも表示を確認したとのこと。

さらにFable 5は、問題の入力欄を自動で表示するためにDatasetteのテンプレートへJavaScriptを追加しました。通常であれば人間がキーボードショートカットを押す必要がある場面で、ページ読み込み後に「/」キーが押されたように見せかける仕組みを作ったというわけです。

見た目だけでは原因を絞り込めないため、Fable 5は入力欄の幅やスクロール状態を数値で集める小さなウェブサーバーまで用意しました。最終的な修正は2行のCSSで済む内容だったものの、そこに到達するまでに複数ブラウザでの検証、スクリーンショット取得、検証用コードの作成、計測用サーバーの構築まで行われたとのことです。


便利な一方で、ウィリソン氏は安全面の問題も指摘しています。Claude Codeのようなコーディングエージェントは、ターミナルでコマンドを実行し、ファイルを書き換え、ブラウザを開き、ローカルサーバーを立ち上げることができます。AIが問題解決に積極的であるほど、誤操作や悪意ある指示の影響も大きくなります。

ウィリソン氏は、Fable 5が小さなCSS修正のために極端な手段を次々と試す様子は興味深かった一方で、コーディングエージェントをサンドボックス外で動かすべきではないという強い警告にもなったと述べています。Claude Fable 5の「容赦なく積極的」なふるまいは、AIが人間の確認を待たずに答えへ近づく可能性を示すと同時に、AIへどこまで端末操作を許可するべきかという問題を突きつけているとウィリソン氏は論じました。

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