2026年06月11日 16時10分
AI

大手クレジットカードブランドのVisaが2026年6月10日、ChatGPTの開発元であるOpenAIとの戦略的提携を発表しました。この提携によりVisaの決済システムがOpenAIのエージェントシステムに統合され、OpenAI全体でシームレスかつ信頼性の高い決済が実現するとされています。
Visa Partners with OpenAI to Power the Next Generation of AI Commerce
https://www.businesswire.com/news/home/20260610422687/en/Visa-Partners-with-OpenAI-to-Power-the-Next-Generation-of-AI-Commerce
Visa brings payments to ChatGPT as AI agents start buying for you | AP News
https://apnews.com/article/visa-chatgpt-openai-shopping-mastercard-d769dec86344cb4977c98789e8ec492f
Visa, OpenAI bring agentic commerce to ChatGPT
https://www.axios.com/2026/06/10/visa-chatgpt-agents-commerce
PYMNTS | Visa and OpenAI Unlock Agentic Commerce
https://www.pymnts.com/news/artificial-intelligence/2026/visa-openai-unlock-agentic-commerce/
今回の提携により、Visaの決済機能がOpenAIのサービスに統合され、開発者や加盟店はAIエージェントによるVisa決済を効率的に受け入れることができるようになるとのこと。VisaはOpenAIに対し、信頼性と安全性を確保した取引を支える基盤となるネットワーク・トークン化・リスク管理機能を提供するとしています。

Visaの最高製品戦略責任者であるジャック・フォレステル氏は6月10日に開催されたイベントで、顧客がChatGPTに「150ドル(約2万4000円)以下のワイヤレスヘッドホンを探している」と伝え、ChatGPTがその条件に見合ったヘッドホンを探し出して購入する例を挙げました。
フォレステル氏は、「ほとんどの人はショッピングに関して非常に快適に感じており、これが優れた発見体験であると認識している段階にあると思います」とコメント。その上で、AIエージェントが商品をオススメする段階から購入する段階に移るには、「まったく異なるレベルの信頼」が必要になることを認めています。
AIエージェントがユーザーに代わって商品を購入できるようになると確かに便利ですが、これは銀行と小売業者双方に懸念をもたらします。ユーザーが自身の支払い能力を超えて購入してしまったり、AIエージェントが誤った商品を購入してしまったり、顧客が「その取引は承認していない」と主張して支払いを拒否したりする可能性があるためです。
Visaは消費者を保護しつつ不正行為を最小限に抑えるため、利用限度額や使用できる加盟店カテゴリーの制限、必要な承認手続きといった安全対策を設けるとのこと。フォレステル氏は、「AIエージェントが経済活動に積極的に参加するようになるにつれ、Visaは取引の信頼性・安全性・シームレスさを確保することに注力していきます」とコメントしました。

OpenAIにとってオンライン通販への参入は今回が初めてではありません。OpenAIは2025年9月に、ChatGPT内で商品を購入できる新機能「Instant Checkout」を発表しました。Instant Checkoutはユーザーの買い物や商品に関する質問に応じ、ChatGPTが条件に見合った商品をウェブ上から探しだし、Instant Checkoutに対応しているものがあれば「購入」ボタンを押すだけで支払い情報や配送先住所を確認し、ChatGPTから離れずに注文を完了できるという機能でした。
ところが、Instant Checkoutは加盟店に対して取引金額の4%を手数料として請求しており、これが高額すぎるため加盟店が拡大しなかったとのこと。結局OpenAIは、2026年3月にInstant Checkoutからの撤退を表明しました。VisaとOpenAIは、今回の提携における金銭的な条件を明らかにしていません。
OpenAIのコマース部門パートナーシップ責任者であるマルコ・マールス氏は、「Visa Intelligent Commerceとの連携により、安全かつ透明性が高く、ユーザーが主導権を握るAIエージェント取引のためのインフラを構築しています。これにより、支払いが安全かつ確実に処理されているという安心感を保ちつつ、AIエージェントを活用してより多くのことを実現できるよう支援します」と述べました。
この記事のタイトルとURLをコピーする