Metaのスマートグラス、顔認識で身元を特定可能に?アプリ内にコード発見 – CNET Japan

 Metaのスマートグラスで使われるソフトウェアに、顔認識コードが組み込まれていることが、Wiredの調査で分かった。電子フロンティア財団(EFF)のThreat Labも米国時間6月4日、この内容を確認した。この機能は一般消費者向けには有効にされていないが、スマートフォンアプリ「Meta AI」内に存在している。

 Wiredによると、Metaは早ければ1月から、Meta AIコンパニオンアプリに複数回のアップデートを通じて顔認識コンポーネントをひそかに追加していた。同アプリは5000万回以上ダウンロードされている。この機能は社内で「NameTag」と呼ばれており、Metaのスマートグラスが視界に入った人物を生体認証によって識別し、その人物に関する情報を装着者に通知できるようにするものだ。

 Wiredの報道によれば、この機能が有効になると、「Metaのスマートグラスが捉えた顔を一般にフェイスプリントと呼ばれる固有の生体特徴データに変換し、ユーザーのスマートフォンに保存されているフェイスプリントと照合する」という。

 言い換えれば、NameTagは顔の生体データをデータベースに保存し、新たな顔特徴データを既存のデータと比較できるようにする。データベースはユーザーのスマートフォンに置かれる設計だが、Metaからアップデートを受け取るようにも設定されている。

 EFFは、このコードを静的解析によって確認したとしている。同団体は、Metaが人々の同意なしに生体認証による追跡を常態化させるような形で、監視能力を備えたスマートグラスの開発を進めていると主張している。

 EFFのシニアスタッフテクノロジストであるCooper Quintin氏は記事の中で、「そうすべきでない理由が山ほどあるにもかかわらず、Metaは自社の顧客を分散型の監視システムに変える機能を作り出してしまったようだ。これは、Metaの監視用グラスを購入したり使用したりする前によく考えるべき、新たな理由の1つだ」と述べている。

 The New York Timesは2月、Metaがこうした機能の開発に取り組んでいるものの、展開の計画については正式に発表していないと報じていた。

 当時、米CNETのスマートグラスおよびXR担当エキスパートであるScott Stein記者は、「Metaの顔認識は実現するかどうかではなく、いつ実現するかの問題だ」と懸念を示し、この技術には「極めて厳格な管理と責任ある対応」が必要になると記事に書いている。

 その後まもなく、Stein記者はスマートグラスのプライバシーポリシーについてMetaに取材したが、明確なガイドラインや安全対策が欠如していることに「不満と不安」を抱く結果となった。

Metaのプライバシースキャンダルにおける新たな局面

 Metaの広報担当者であるRyan Daniels氏は米CNET宛ての電子メールで、このコードは単なる技術的探求の証拠であり、一般消費者に向けて提供するかどうかの最終的な決定は下されていないと述べた。

 Daniels氏は、「何らかの機能の提供を決定した場合は、慎重なアプローチをとり、完全に透明性のある形で行う。はっきりと言えるのは、われわれが中央集権型の顔データベースを構築しているわけではないということだ」と記している。

 同社の広報チームはXにも回答を投稿し、Wiredの記事でMetaの回答が下の方に掲載されていることに不満を示した。

 かつて、Metaは「タグ提案」機能のために「Facebook」にアップロードされたすべての写真の顔を自動的にスキャンしていたことがある。顔などの生体データを取得する前に明確な同意を得るよう企業に義務付けるイリノイ州生体情報プライバシー法に違反したとして提訴され、6億5000万ドルを支払って和解することに同意した。2021年にはプラットフォーム全体の顔認識システムを停止し、10億人以上のフェイスプリントデータを削除している。

スマートグラス競争における顔認識

 MetaはスマートグラスにおいてRay-BanやOakleyなどの企業と提携しているが、競争にも直面している。Googleやサムスンも最近、独自のスマートグラス製品を発表した。Appleは「Vision Pro」のようなVR製品から、現在開発中の拡張現実(AR)グラスへと移行していると言われているが、そうした製品が発表されるのは2027年になると予想されている。

 スマートグラスの急増は、こうしたデバイスのプライバシーや安全性に関する議論を再燃させている。スマートグラスは周囲の人々に気づかれないまま、つまり同意を得ることなく動画や音声を記録できるケースが多く、公共の場での匿名性を損なう恐れがある。

 デジタル著作権の専門家らは以前から顔認識技術に懸念を抱いている。生体データは、政府が反体制派の追跡に悪用したり、企業が消費者の監視に利用したりする可能性があるからだ。また、公の場での嫌がらせや個人情報のさらし行為に使われたり、データが流出したりする危険性もある。

 顔認識ソフトウェアが有効になれば、どのような機密データが保存され、どのように使用されるのかという点について、さらなる懸念が生じることになる。

この記事は海外Ziff Davis発の記事を4Xが日本向けに編集したものです。

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