機密扱いであるため、OpenAIもS-1を提出済みでありながら発表していない可能性がある。同社はBusiness Insiderのコメント要請には応じなかった。アンソロピックもコメントを控えた。
予測市場のPolymarketでは、アンソロピックが先に上場する確率が82%と見込まれており、少なくとも通説に従えば、これは大きなアドバンテージだ。
「先に上場すれば公開市場の投資家マネーに最初にアクセスでき、従業員や初期出資者への流動性を提供でき、AIへの熱狂が冷めないうちにプレミアムを獲得できる可能性があります」と、VIDAビジョンファンド(VIDA Vision Fund)の創業者、マイク・アルベス(Mike Alves)はBusiness Insiderに語った。
「市場が一度に消化できる大型AIのIPOは一つだけかもしれません。2番手は二番煎じに見えるか、特に最初のIPOが急騰後に下落した場合、疲弊感に直面するリスクがあります」(アルベス)
2010年代後半にOpenAIに在籍し、現在はAI安全性監視団体であるGuidelight AI Standardsを運営するページ・ヘドリー(Page Hedley)はBusiness Insiderに対し、IPOのストーリー構築は先行者にとって有利だと述べた。ヘドリーは、最初に上場した企業は「自社が得意とすることを際立たせ、苦手とすることを目立たなくする形で」何が重要なのかを市場に見せることができると語った。
先に上場することは本当に有利なのか?
ピッチブック(Pitchbook)のシニア・レイトステージ企業リサーチアナリスト、ハリソン・ロルフェス(Harrison Rolfes)によれば、待つ方が有利だという強い主張もある。
「アンソロピックは自ら進んで情報開示リスクを最初に引き受けました。OpenAIは今や、自社の価格設定にコミットする前に、機関投資家が監査済みのフロンティアAI財務情報にどう反応するかをノーリスクで観察できる選択肢を手にしたのです」とロルフェスは1日のリサーチノートに記した。
「アンソロピックの利益率が期待外れなら、OpenAIは情報開示前に静かに自社のストーリーを組み直せる。もし、アンソロピック株に申し込みが殺到すれば、OpenAIはリスクなしで追い風の波に乗れます」(ロルフェス)
OpenAIのCEO、サム・アルトマンは1日のアンソロピックの発表直後にCNBCに出演し、競争などないと一蹴し、先に上場することに対する競争があるとは思わないと述べた。
「最高の技術を提供し、最高のビジネスを構築するための競争はあると思います」とアルトマンは語った。「しかし、上場は資金調達イベントであり、そのタイミングに注力しているわけではありません。我々は適切だと判断したときに実施します」
同CEOはまた、AIへの需要は非常に大きく、勝者総取りの覇者ではなく「複数の提供企業によるシステム」を支えるものになるのを期待していると述べた。
アルトマンは5月に社員に対してIPOについて慎重に言及し、The Informationが報じたところによると、IPOの申請と上場は別物であり、準備が整うまで実際に市場に出ることはないと伝えたという。
ロルフェスによれば、OpenAIがすでにSECの審査やブックビルディングがかなり進んだ段階にある場合、軌道修正するには手遅れかもしれないという。
「OpenAIが価格レンジにコミットする前に意味ある軌道修正ができないぐらいに、2社の案件は近いタイミングなのかもしれません」と同氏は記した。