米Googleは5月20日(現地時間)、開発者向けカンファレンス「Google I/O 2026」で、「Dart 3.12」「Flutter 3.44」を発表した。
【画像】「Agentic Hot Reload」の動作(GoogleのWebサイトから引用)
「Dart」は、Googleが主導で開発を進めているオープンソースのプログラミング言語。「Flutter」は「Dart」を開発言語としたクロスプラットフォーム対応のUIツールキットで、Web、デスクトップ、モバイルをカバーする。月間開発者数は150万人に達しており、1年で50%の増加を記録するなど、クロスプラットフォームアプリの開発現場で支持を集めている。
「Dart 3.12」「Flutter 3.44」における目玉は、「Genkit Dart」の導入だ。これは「Dart」「Flutter」がサポートするあらゆるプラットフォームでAIエージェントを搭載したアプリを手軽に構築できるようにするオープンソースの新しいフレームワークで、以下の特徴を備える。
・特定のモデルに依存しないAPI:Googleだけでなく、AnthropicやOpenAI、それらと互換性のあるモデルをサポート
・型安全:「schemantic」を用いた強い型付け
・どこでも実行:バックエンドでも「Flutter」アプリ内でも動作
・Developer UI:プロンプト・トレース・ワークフローを可視化
・コアAIプリミティブ:構造化出力、ツール呼び出し、多段階フローの組み込みサポート
まだプレビューという扱いだが、AIアプリに必要なものが一通りそろっており、既存アプリにAIを統合して機能アップさせたいといった要望に応えてくれる。
また、AIエージェントを用いたアプリ開発に役立つ「Agentic Hot Reload」にも注目したい。これは「Dart」のバックグラウンドツールがデバッグ接続のためのCLIコマンドを公開し、任意のエージェントがMCPサーバーを介してデバッグ実行中のアプリへ自動接続できるようにしたもの。AIがコーディングし、人間が確認するというサイクルをシームレスにする。人間とAIが同じアプリをリアルタイムで共同編集できるわけだ。
そのほかにも、「Dart 3.12」ではクラス定義やコンストラクターの記述を簡略化する言語機能の強化が行われた。
「Flutter 3.44」では、FlutterのコマンドラインツールがApple Silicon(ARM)にネイティブ対応(「Rosetta」トランスレーション不要)。各プラットフォームで機能の拡充が図られた。一方で、「Material」および「Cupertino」ライブラリが凍結(フリーズ)され、今後はコアフレームワーク内での更新が停止され、スタンドアロンパッケージへの移行が必要となる。
窓の杜,樽井 秀人