コードエディタ「Zed」を開発するZed Industriesは、2026年5月27日に公開した安定版v1.4.2で、AIエージェント向け機能「Skills」に対応したことを案内した。Skillsは、特定の作業に必要な知識や手順をエージェントへ渡すための再利用可能な指示パッケージで、テスト駆動開発、ドキュメント処理、データベース連携、チーム内のコーディング標準などに利用できる。なお、安定版は2026年5月28日にv1.4.3、v1.4.4も公開されており、2026年5月29日現在の最新安定版はv1.4.4となっている。
個々のSkillはSKILL.mdを含むフォルダとして作成する。SKILL.mdにはYAMLフロントマターでnameとdescriptionを記述し、本文にエージェントへ渡す指示を書く。Zedはグローバルの~/.agents/skills/と、プロジェクト内の.agents/skills/からSkillを読み込む。プロジェクト内のSkillは、信頼済みのワークツリーからのみ読み込まれる。
Skillの作成時は、コマンドパレットから「Skill Creator」ウィンドウを開ける。コマンドにはagent: open skill creatorと、GitHub上の既存Markdownファイルから作成するためのagent: create skill from urlが用意されている。また、プロンプトの入力欄で/create-skillを指定して、エージェントにSkillの作成を依頼することもできる。

Skillを利用するタイミングは、エージェントが作業内容に応じて自動的に判断するほか、ユーザーが/や@skillメンションで明示的に指定することもできる。自動呼び出しを避けたいSkillには、disable-model-invocation: trueを設定する。作成済みのSkillは、設定UIのAI、Skills、Configureから開いて編集できる。
Skills対応により、エージェント向けの再利用可能なルールを扱っていたRules Libraryは非推奨となり、Skillsに置き換えられた。公式リリースノートでは、エージェントのチャット入力欄での@rule補完も@skillへ変更されたことが示されている。既存のRulesは自動的に移行される。
安定版v1.4.2〜v1.4.4のAI関連ではこのほか、v1.4.2でユーザーごとの設定フォルダに置くグローバルAGENTS.mdファイル、エージェントパネルのターミナルスレッドを起動するagent: new terminal thread、MCPツールからの画像出力、組み込みMCPクライアントでのOAuthクライアント事前登録にも対応した。v1.4.3とv1.4.4では、GitHub Copilot Chatのモデル選択やGPTモデル利用時のエラーに関する不具合も修正されている。
AI以外では、v1.4.2でGitのブランチ差分ビューにおけるベースブランチ選択、Changes/Historyタブ切り替え、diff hunkの一括展開・折りたたみ、Markdownプレビューのコードフォント設定、CSVプレビューの列固定、restricted modeなどが追加・改善されている。
コラム:ZedコアリポジトリのAGPLライセンス削除
Zed Industriesは2026年5月28日、公式Xで、OSS開発者や大企業での利用を簡素化するため、ZedのコアリポジトリからAGPLライセンスを削除し、GPLライセンスへ移行したと発表した。AGPLを理由に職場でOSS版Zedの承認を得られなかったユーザーに向けて、承認支援の連絡先としてhi@zed.devも案内している。
この変更に関しては、morgankrey氏によるプルリクエストがマージされている。このプルリクエストでは、残っていたファーストパーティのAGPL適用部分をGPLへ移し、Apache 2.0のコンポーネントは変更しないとしている。