初期の天の川銀河が矮小銀河をのみ込んだ残骸発見か 進化の理解を変える可能性(1/2) – CNN.co.jp

(CNN) 天の川銀河が約100億年前に矮小銀河をのみ込んだ残骸(ざんがい)とみられる恒星の集団を、英国の研究者らが発見した。のみ込まれた銀河は、北欧神話に登場するいたずらの神にちなんで「ロキ」と名づけられた。天の川銀河がどのように進化したか、その解釈に変化をもたらす可能性がある。

私たちが住む天の川銀河は直径約10万光年で、1000億~4000億個の恒星が集まっている。1光年は光が1年間に進む距離のことで、約9兆4600億キロに相当する。

天の川銀河はもともとこんなに大きかったわけではなく、約120億年前から数多くの矮小銀河をのみ込んで成長してきた。ただし、当初どれくらいの大きさだったかという答えは出ていない。研究者らはその歴史と進化を突き止めるため、のみ込まれた銀河の証拠を探してきた。

今回チームが注目したのは、天の川銀河の円盤部から異例の近さで見つかった、金属の含有量が少ない「金属欠乏星」の集団だ。研究の成果は今月、英王立天文学会月報に公開された。

宇宙初期の恒星は水素とヘリウムで構成され、金属のような重い元素は含まれていなかった。重元素は恒星内部の核融合で合成され、やがて超新星爆発でまき散らされて、それが将来の世代の恒星の材料になった。

円盤部の近くで金属欠乏星が見つかったということは、初期の天の川銀河が別の銀河をたらふく飲み込んだ可能性を示唆している。これは天の川銀河の成り立ちを知るうえで、今まで見過ごされてきた重要な要素になるかもしれない。

金属欠乏星を探して

ガイアが捉えたこの天の川銀河のマップは、18億個あまりの恒星のデータを用いて作成された/ESA/Gaia/DPAC; CC BY-SA 3.0 IGO
ガイアが捉えたこの天の川銀河のマップは、18億個あまりの恒星のデータを用いて作成された/ESA/Gaia/DPAC; CC BY-SA 3.0 IGO

天の川銀河の金蔵欠乏星を探す研究では、銀河全体を球状に包み込む広大な領域「ハロー」が注目されてきた。ここには古い恒星が豊富に存在する。

だが一部の研究者らによると、より古い時代に起きた合体の痕跡は、円盤部のような奥深くで見つかる可能性がある。

チームを率いる英ハートフォードシャー大学宇宙物理研究センターの博士研究員、フェデリコ・セスティト氏によれば、円盤部には若く金属量の多い恒星や大量のちりがひしめき合っているため、これまで金属欠乏星を見つけるのが難しかった。

セスティト氏らは欧州宇宙機関(ESA)の宇宙望遠鏡「ガイア」を使い、円盤部に驚くほど近いところで20個の金属欠乏星を発見した。チームは続いて、ハワイ島マウナケア山頂付近にあるカナダ・フランス・ハワイ望遠鏡の高度な分光装置を使った。