小惑星探査機「Psyche」、フライバイで火星の希少な画像を捉える – CNN.co.jp

(CNN) まれな金属質の小惑星に向かう途中の米航空宇宙局(NASA)の探査機「Psyche(サイキ)」が先ごろ、火星へのフライバイ(接近通過)を実施した際、火星の珍しい眺めを撮影した。

2023年10月に打ち上げられたサイキは、火星と木星の軌道の間にある小惑星帯に位置する小惑星「16 Psyche(プシケ)」に向かっている。

火星の南半球にある大型の二重構造をしたホイヘンスクレーターを示したエンハンスドカラー画像/NASA/JPL-Caltech/ASU
火星の南半球にある大型の二重構造をしたホイヘンスクレーターを示したエンハンスドカラー画像/NASA/JPL-Caltech/ASU

プシケはこれまで近くから観測されたことがないが、地上望遠鏡や宇宙望遠鏡による観測では、反射性の高い金属表面を持つことが分かっている。科学者らは、この大型の金属質な小惑星について、地球や火星、水星、金星といった惑星の最内層に似た、初期の惑星を形成した核が露出したものではないかとみている。

探査機はプシケに向かって36億キロを飛行し、29年の到着を見込む。

火星の南極冠を捉えたサイキの高解像度画像/NASA/JPL-Caltech/ASU
火星の南極冠を捉えたサイキの高解像度画像/NASA/JPL-Caltech/ASU

推進剤を節約し、探査機の太陽電気推進システムを加速させて軌道を調整するため、サイキのミッション計画担当者は飛行に火星フライバイを組み込んだ。15日に火星の周囲を飛行した際、火星の重力によりスイングバイが成功し、サイキは加速し、小惑星へまっすぐ向かう軌道に乗った。

フライバイの間、サイキは火星表面から4609キロの距離まで接近した。すべての科学装置とカメラを作動させた状態で、小惑星に到達したときに備えた予行演習を行い、火星の独特な眺めを示す画像を取得した。

火星の珍しい姿

15日に捉えた三日月状の火星/NASA/JPL-Caltech/ASU
15日に捉えた三日月状の火星/NASA/JPL-Caltech/ASU

火星に最接近するまでの数日間、サイキは高い角度から接近したことで、明るく照らされた細い三日月状の火星を捉えた。

サイキが近づくにつれ、カメラは火星の南極地域や、地表のクレーターに沿って風が巻き上げた塵(ちり)の筋など、火星のさまざまな地域の夜と昼を捉えた。アリゾナ州立大学のサイキ撮像装置の責任者ジム・ベル氏によると、撮った写真は数千枚に上るという。

クレーターに沿って風が巻き上げた塵(ちり)の筋。約50キロにわたって広がっている/NASA/JPL-Caltech/ASU
クレーターに沿って風が巻き上げた塵(ちり)の筋。約50キロにわたって広がっている/NASA/JPL-Caltech/ASU

プシケに接近する前に火星のような対象でサイキのカメラと機器を較正するのは、宇宙環境であらゆる装置を想定通り確実に機能させる上で極めて重要なことだとベル氏は指摘した。