Dell Technologiesは米国時間5月18~21日、ネバダ州ラスベガスでの年次イベント「Dell Technologies World 2026」を開催中だ。
会期2日目の基調講演には、最高執行責任者(COO) 兼 副会長のJeff Clarke氏らが登壇し、「AIネイティブ企業」に変貌するための「5つの中核要素」を提示した。それを具現化する製品として、新ストレージ「PowerStore Elite」や第18世代「PowerEdge」サーバー群や、統合サイバーレジリエンス基盤「PowerProtect One」などを発表。AI時代に企業が優位性を維持するには、「データセンター全体の再設計が必要だ」と訴求している。

2日目の基調講演では「PowerStore Elite」や「PowerProtect One」、第18世代「PowerEdge」など多数の新製品が発表された
トークン消費10倍時代、企業が直面する「データセンターの再設計」
Clarke氏は、AI活用の急拡大によって、企業ITの前提そのものが変化していると指摘する。同氏によると、AIトークンの生成コストは過去1年で約80%低下した一方、トークン消費量は10倍に増加し、年間100兆規模へ拡大しているという。また、今後は推論ワークロードがAIコンピュート全体の3分の2近くを占め、生成AI関連のエンタープライズソフトウェア支出も370億ドル規模へ拡大するという予測を示し、「企業はもはや実験段階ではなく、構築段階にある」と主張する。

2日目の基調講演に登壇したDell Technologies 最高執行責任者 兼 副会長のJeff Clarke氏。今後の企業は「トークン消費量に留意する必要がある」と訴えた
さらに同氏は、AIによる生産性向上が均一ではなく一部のAI活用に長けた「スーパーユーザー」が極めて高い成果を生み出しているとの見解を示した。
「もし経営層が組織全体の平均としてAIの投資対効果(ROI)を測定しているなら、それは間違いだ。AIを最大活用できる人材や運用モデルが、企業の競争力を左右する。(中略)実際こうした変化により、企業のコスト構造も変化し始めている。従来の人件費中心の知的労働のコストが、今後はトークン消費や推論基盤の運用コストに移行していく可能性がある」(Clarke氏)
Clarke氏は、「AIネイティブ企業」を実現する中核要素として、以下の5つが重要だと説いた。
AI-ready data(AI活用可能なデータ基盤)
Distributed AI Infrastructure(分散AIインフラ)
Security for Autonomous Systems(自律システム時代のセキュリティ)
Integrated Enterprise Stack(統合型インフラスタック)
New Economics for AI(AI時代の新たな経済モデル)
以前からDellは、データをAIに寄せるのではなくAIをデータに寄せる必要があると訴求している。AI活用が大前提の時代は、データ、推論、セキュリティ、運用、自動化といった要素を個別最適で管理するのではなく、データセンター全体をAI前提で再設計する必要がある――というのが、同社の今回のイベントにおけるメッセージだ。
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