イラン戦争でゴールド(金)価格が下落した理由…別の重要な役割を果たしている | Business Insider Japan

ゴールド(金)は安全資産とみなされているが、イラン戦争の間、低迷が続いている。ゴールド(金)は安全資産とみなされているが、イラン戦争の間、低迷が続いている。Igor Barilo/Getty Imagesゴールド(金)は世界的な紛争時の安全資産とみなされているが、イラン戦争の間、低迷が続いている。価格は開戦前の水準を下回っているとはいえ、ゴールドは別の重要な役割を果たしている。ゴールドをドルの確保手段として活用することが、エネルギー収入に依存する国々を支えている。

ゴールド(金)は究極の安全資産と考えられているが、イラン戦争中の価格動向はその見方に疑問を投げかけている。しかし、低迷する価格こそが、ゴールドには別の重要な役割がある証拠かもしれない。

ゴールドは2025年に歴史的な高騰を記録したが、イラン戦争による価格の押し上げ効果はほとんど見られない。実際、相場は開戦前の水準を下回り、紛争開始から10週間で約10%下落している。

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通常、有事の際には安全資産としてゴールドが買われ、価格が上昇するものだ。しかし、近年でも最大級の地政学的激変である今回の戦争で、ゴールド価格が下落していることに、金融業界では困惑が広がっている。LPL Financialのマクロ戦略責任者、クリスティアン・カー(Kristian Kerr)は、ゴールドのこうした動きには理由があるとしている。

「その理由を理解するには、ゴールドがいかなる資産カテゴリーにも単純には収まらないことを認識する必要がある。ゴールドは実際には複数のカテゴリーにまたがっており、コモディティ、準備資産、そして通貨の代替物として同時に機能している」

このことは、最近の金価格の動きを理解する上で極めて重要だ。加えて、市場混乱時に各国がドルへのアクセスを維持する手段として、ゴールドが重要な役割を果たしているという、あまり注目されてこなかった側面も浮き彫りにしている。

歳入をエネルギー輸出に依存する国々にとって、今回の混乱は歴史的な規模に達している。そのため、戦争中のゴールドが「価値の貯蔵手段」ではなく「ドルの貯蔵手段」として機能しているのだ。

「ゴールドを売却したり交換したりすることで、依然として世界の資金調達システムの頂点にある米ドルへ即座にアクセスできる。これが、ゴールドの異例な値動きを説明する助けとなる。安全資産への資金移動ではなく、公的あるいは準公的な機関による売りが出ている可能性が高い。つまり、一部の国々では石油輸出の混乱によって生じた歳入不足を埋めるために金準備を現金化せざるを得なくなっているのだ。

ゴールド価格の下落を見ると、従来のように究極の安全資産としての役割を果たせなくなっていると考えたくなるかもしれないが、カーは、それは正しい解釈ではないとみている。

カーは、4月初旬のスコット・ベッセント(Scott Bessent)財務長官の発言を引用し、イラン戦争による深刻な経済的ストレスを受け、ペルシャ湾岸地域のアメリカ同盟国では大量のドル資金を確保する必要性が高まっていると指摘した。

「こうした局面では、ゴールドはヘッジ手段というより、バランスシート上の資金源として機能することがある。この視点は極めて重要だ。ゴールドはその役割を果たせていないのではない。単に活用されているだけだ」

カーによれば、仮に暫定的な停戦合意が維持され、イラン戦争が早期に終結したとしても、金価格は引き続き不安定に推移する可能性が高い。大規模なエネルギーショックの後には、多くの場合、大規模な再建過程が続くからだ。

「ドル調達への圧力が和らぎ、エネルギー供給が正常化するまで、ゴールドは地政学的ヘッジとしてよりも、バランスシート上の資産として取引されるだろう」

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