なぜ中国のAI政策は受け入れられやすいのか―米メディア

11日、中国メディアの環球時報は、中国のAI政策が実用的な戦略を通じて国民の利便性を向上させ、国際的なガバナンスモデルとしての影響力を広げていると報じた。写真は広東省東莞市のAI勉強会。

2026年5月11日、中国メディアの環球時報は、中国のAI政策が実用的な戦略を通じて国民の利便性を向上させ、国際的なガバナンスモデルとしての影響力を広げていると報じた。

記事は、上海を拠点に18年以上中国で生活する作家・編集者のジェイコブ・ドレイヤー氏が米紙ニューヨーク・タイムズに寄稿した文章を引用。ドレヤー氏は文章の中で、中国では人工知能(AI)技術が顔認証や生活インフラの至る所に現れ、日常生活に比類のない利便性を提供していると伝え、その背景には政府が強力なAIツールをほぼすべての公共サービスに普及させようとする、「AI+」と呼ばれるトップダウン戦略があることを説明した。

また、西側諸国とは対照的に、中国でAIに対する抵抗感が少なく楽観的に受け入れられていることに触れ、戦略が極めて実務的であることが主要因との認識を示した。そして、国民が教育、医療、介護といった切実な社会課題を解決するための不可欠な手段としてAIの恩恵を直接的に理解していると評した。

その上で、具体的な実例として農村部における教師の過重労働補助や医師不足を補う遠隔診断、高齢化社会に対応した介護ロボットの活用、さらに異常気象の予測など多岐にわたる公共分野での機能性を列挙。AIが単なる利便性向上にとどまらず、社会構造の欠陥を補完するインフラとして機能していると指摘した。

ドレイヤー氏はさらに、中国が国内の成功モデルを背景に、エネルギー、通信、交通、監視などのインフラ一式をAIで統合管理するソリューションを世界各地へ輸出していることにも言及。新興市場が採用することで、技術供与の枠を超えた中国式ガバナンスモデルが国際標準として波及していく可能性を伝えた。(編集・翻訳/川尻)