半導体メーカーの新規上場により、サム・アルトマンはさらに大金持ちになった | Business Insider Japan

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ビッグテックの動向

矢印OpenAIのCEO、サム・アルトマン氏OpenAIのCEO、サム・アルトマン氏。Kevin Dietsch/Getty Images

サム・アルトマン氏は5月14日の朝、一気に資産を増やした。

OpenAIの経営トップでもあるアルトマンCEOは、5月14日に今年最大の上場でマーケットに登場したチップメーカー、セレブラスに数百万ドル規模の出資をしている。同社の株価は公開価格185ドルを大きく上回る1株350ドルで初値をつけた。上場前からセレブラス(Cerebras)に出資していたアルトマンにとって、これは大きな利益をもたらすことになる。

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イーロン・マスクとの進行中の裁判に提出された証拠書類によると、アルトマンはセレブラスの株式を8万9373株保有しており、2025年末時点の評価額は320万ドル(約5億円)だった。その価値はいまや大きく膨らんでいる。14日のセレブラスの株価は乱高下したが、大まかな計算に基づけば、アルトマンの保有株は約3000万ドル(47億円)の価値になった可能性がある。

法廷文書によると、アルトマンが初めてセレブラスに出資したのは2017年2月のことで、ChatGPTのリリースや、AIコンピューティングへの投資熱がセレブラスへの関心を集める以前のことだ。CEO、アンドリュー・フェルドマン(Andrew Feldman)が率いる同社は、AI専用に設計された大型のウェハーチップを製造している。

上場目論見書の中で、セレブラスの経営陣は、2020年と2022年に投入した最初の2世代の技術はあまり注目を集めなかったと振り返った。その後、「ChatGPTとともに変化が訪れ」、数年後には「AIは十分に賢くなって価値を持つようになり、人々はあらゆる場面でAIを使うようになった。インファレンス(推論)の利用が爆発的に拡大した」と彼らは書いている。

同チップメーカーはインファレンス ―― AIモデルがチャットボットのユーザーやコーディングの顧客からの入力を受け取り、出力を返すプロセス ―― に注力している。The Informationの報道によると、アルトマンはIPOのピッチ動画の中で、セレブラスのチップを「現時点で世界最高の高速インファレンス製品」と称した。

OpenAIとセレブラスは深く結びついてきた。この1月、両社は100億ドルを超える規模の契約を発表した。OpenAIがセレブラスのチップを使用すること、そして今後共同で技術を開発していくことを明らかにした。OpenAIはセレブラスに10億ドルの融資も実行しており、2030年まで追加のチップを購入するオプションも持っている。

セレブラスの上場にあたり、OpenAIは数百万株分のワラント(新株予約権)も取得している―― これにより、アルトマン個人も、彼の会社も、14日の朝の株価上昇の恩恵を受けることになる。

セレブラスはコメントを控えた。OpenAIはBusiness Insiderのコメント要請に応じなかった。