楽天グループは14日、2026年度第1四半期の連結決算を発表した。売上収益は第1四半期として過去最高となる6436億円(前年同期比14.4%増)を記録し、Non-GAAP営業利益は363億円と、MNO事業本格参入後初めて第1四半期での黒字化を達成した。
主な質疑応答
――2019年以来、7年ぶりの営業黒字化となった率直な受け止めと、第1四半期が好発進となったことを踏まえた通期の業績目線について教えてほしい。
三木谷氏
楽天モバイルという非常に壮大なプロジェクトに挑戦する中で、ユーザーの反応や楽天グループのエコシステムへの浸透により、顧客のLTV(生涯価値)が上がっていることがようやく顕在化してきました。
当然喜ばしい結果ではありますが、これを継続していく必要があります。今後のさらなるAI活用による収益性の大きな改善や、新規獲得の好調、フィンテックグループの再編を含めた要素、そして極めて健全なバランスシートなどを考慮すると、これからの四半期およびその先に関しても大変大きな収益増が期待できると自信を持っています。
――楽天モバイルについて、U-NEXTに続くような他社サービスと紐づけた新しいプランは考えているか。
三木谷氏
現在はセキュリティが大きな問題となっています。「オレオレ詐欺保険」はシニア層に非常に好評で、特にシニア層や子供向けのサービスについては拡充していきたいと考えています。
コンテンツのバンドリングなども相手があることですが、できるところがあれば前向きに進めたいです。これからは単に繋がるだけでなく、セキュアに繋がる、詐欺を防止するといったことが極めて重要だと考えており、その領域を強化していきます。
――インフラコスト等で他社が値上げに動いている中、今後の値上げに関する方針を教えてほしい。
三木谷氏
価格については戦略的な部分もあり言及は避けますが、我々は後発であり他社に比べてマーケットシェアもまだ小さいため、総合的に判断しながら長期的に考えていきたいと思っています。
――先日のKDDIの決算で松田浩路社長がローミング契約についてコメントしていたが、それに対する受け止めやコメントがあれば教えてほしい。
三木谷氏
まずKDDIには多大なるご協力をいただき、本当に感謝しています。
通信サービスは国の財産である周波数をお借りして提供しています。海外の何兆円というオークション費用に比べ、我が国では基本的にエンドユーザーの観点からそれほどの使用料を払わず国民のサービスとして行っています。法律も一番は「ユーザーに迷惑をかけない」ことをベースに構築されており、我々もそのような関係でKDDIさんと一緒にやってきました。
競争はあるかもしれませんが、一番重要なのはユーザーに迷惑をかけないことであり、KDDIにもご理解いただいているのかなと考えています。
――物価高により消費者が防衛的になる懸念がある。物流業界でも人件費や輸送コストの高騰で大変な状況にある。これらに対し手を打つとなるとECのコスト上昇や消費モメンタムの低下が予測されるが、見立てと今後の打ち手について教えてほしい。
三木谷氏
インフレになった際、ひとつはネットの価格有利性がどれくらいあるかがポイントになるとおもいます。よりネットで購入しようという動きになっていくと考えており、我々も取引回数がしっかり増えていることを確認しています。
もうひとつはAIによる成長要素です。AIによって各種サービスやプログラミングなど、大幅なコスト削減と効率化が可能になります。また、顧客の購買体験も従来の検索ボックスから、対話型のコンサルティング的な検索に変わることで、よりニーズを満たせるようになると思います。
楽天グループとしてはエコシステムが統合的に機能しており、広告収入も増えています。ハイパーインフレにならない限り、マネージャブルなインフレの範囲内であれば我々にとって有利に働くと考えています。多少のコスト増があったとしても、AI化による効率化で十分に吸収できる範囲だと思っています。