krisanapong detraphiphat/Getty Images
アンソロピック(Anthropic)は、Claudeの「福音」を広める真の信奉者を探している。
同社は現在、「アプライドAI Claudeエバンジェリスト」を募集中だ。この職務は、スタートアップ企業と協力しながら、アンソロピック製品の導入を支援する役割を担う。
Claudeエバンジェリストは、ベンチャーキャピタルやスタートアップ創業者、アクセラレーターに対する「アンソロピックの顔」となる存在だ。開発者のオンボーディングを主導し、デモやチュートリアルを作成するほか、社内チームへのフィードバック共有などを行う。業務の大きな割合をライブイベントが占めることになる。
職務の一つには、「開発者が『興味を持っている状態』から、1回のイベント内で『実際に開発を始めている状態』へと移行できるような、実践的テクニカルセッションを設計・運営すること」が含まれる。
応募には7年以上の経験に加え、技術系スタートアップの創業者または社員としての経歴が求められる。年収は24万ドルから31万5,000ドル(3700万円〜4900万円)の間とされている。
「エバンジェリスト(伝道師)」という肩書きは一見すると珍しく感じられるかもしれないが、テック業界では決して前例のないものではない。多くの企業が「プロダクト・エバンジェリスト」を募集しており、例えばかつてのアップルには「チーフ・エバンジェリスト」という役職も存在していた。
Claudeエバンジェリストは、AI革命によって芽吹いた数々の新職種の一つだ。最近新設された別の職種に、「現場配備型(Forward Deployed)AIアクセラレーター」がある。この名称は決済企業のストライプ(Stripe)によるもので、同社はAI活用習慣を定着させるための役割をマーケティングチームで募集していた。
この「現場配備型」モデルは、その後ストライプ以外にも広がっている。11日、OpenAIは100億ドル(1.55兆円)規模の新組織「OpenAI Deployment Company」を発表した。同組織は、コンサルティング会社Tomoroの買収によって得た約150人の現場配備型エンジニアを基盤としてスタートする。
また、「エバンジェリスト」という肩書きが宗教を連想させるのは当然だが、AI業界にはさらに直接的な宗教との結びつきも見られる。
元グーグルおよびウーバーのエンジニアであるアンソニー・レバンドウスキーが、数年前に「AI教会」を設立したことは有名だ。2024年には、ミストラル(Mistral AI)のアーサー・メンシュCEOが、AGI(汎用人工知能)への執着は「神を創造すること」に関係していると発言した。10月には、パランティア(Palantir Technologies)のシャム・シャンカーCTOが、「AI破滅論は宗教の欠如によって生じている」と語っている。
一方、アンソロピックとOpenAIは最近、宗教指導者たちと「信仰とAIの協定(Faith-AI Covenant)」ラウンドテーブルを開催し、AIシステムにどのように倫理観を吹き込むべきかを議論した。
応募を検討している人は、アンソロピックが求めているのは「開発者」というよりも「説教師」に近い役割かもしれないことを覚えておくべきだ。求人票には、理想的な候補者像として「聴衆を圧倒する能力(The ability to command a room)」を持つこと、と記されている。