ファナックとGoogleがフィジカルAIで協業 Gemini Enterprise活用で産業用ロボットの自動化を加速 | ロボスタ

ファナックは2026年5月13日、Googleとの協業により、同社の最新技術を活用したフィジカルAIロボットシステムを進化させたと発表した。
AIの進化をロボットに適用して自動化を加速させるため、オープンプラットフォームとフィジカルAI対応を強力に推進している。

フィジカルAIとオープンプラットフォームの融合

近年、LLM(大規模言語モデル)をはじめとするAIの進化は、知能と物理的な動きを組み合わせた「フィジカルAI」として注目を集めている。
ロボットがセンサを通じて周囲を認識し、自ら判断して動作する技術は、フィジカルAIの代表的な適用例だ。

ファナックのロボットは、ロボット制御の代表的なオープンプラットフォームであるROSにソース公開の自社ドライバで対応しており、AI開発でポピュラーなPython言語や外部からロボットを制御する高速通信I/F、PLCからロボットを簡単に制御するI/Fなど幅広い技術に対応している。
一方、GoogleもAIロボティクスグループであるIntrinsicを通じてROSの開発・管理を牽引する。

これらのオープンプラットフォーム技術により、協働ロボットCRXシリーズをはじめ、可搬質量3キロの小型ロボットから2.3トンの大型ロボットまで、ラインナップ豊富なファナックロボットと最新のフィジカルAIを組み合わせたロボットシステムを、生産現場へ容易に導入できるようになる。

1,000台以上を出荷、需要は加速

昨年12月の国際ロボット展でフィジカルAIシステムをお披露目して以降、フィジカルAIへの引き合いが続いており、同社はすでに1,000台以上のファナックロボットをフィジカルAI関連で出荷した。このペースはさらに加速している。

今回のGoogleとの新たな協業では、強固なセキュリティを備えた企業向け生成AIであるGemini Enterpriseをはじめ、Google Cloudの最新技術を活用した産業用ロボットのフィジカルAIシステムを構築した。

さらに、CRXを含むすべてのファナックロボットは、Intrinsicが提供するエンタープライズ向けソフトウェアプラットフォームに完全対応予定で、AIロボットソリューションの構築・テスト・実装を容易にする。

同プラットフォームを基盤とし、Intrinsicの開発環境「Flowstate」と互換性のあるロボット制御を全面的にサポート。FlowstateはROSとの互換性を持ち、ファナックロボットのオープンプラットフォーム技術と連携することで、高度に適応可能なAIソリューションを迅速かつ容易に構築することができる。

また、ファナックはGoogle DeepMindの「Gemini Robotics Trusted Testerプログラム」にも参加し、ロボット向け基盤モデルに関するAI研究を推進している。

5月の展示会でGemini搭載システムを実演

5月に開催されるファナックの新商品発表展示会では、生成AI Geminiを搭載した次世代フィジカルAIロボットシステムの実演が行われる。

Gemini Enterpriseを使って構築されたAIエージェントが人の指示を理解し、物体を認識、複数のロボットを駆動して指示された作業を行う様子が披露される予定だ。これは人の簡単な指示で協働ロボットと非協働ロボットが1つのセルとして作業する「産業用ロボットのAIエージェントシステム」として注目される。

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