アクセンチュア株式会社は11日、米Anthropicとグローバルで進めてきた戦略的パートナーシップのもと、AIを中核に据えた企業変革の支援体制を日本で強化すると発表した。アクセンチュアは、5月1日から「アクセンチュア Anthropic ビジネスグループ」の日本における活動を本格始動させ、全社AI変革の設計と実行から、Claudeを活用したソフトウェア開発ライフサイクルの刷新、基幹システムのモダナイゼーション、サイバーセキュリティ変革を国内の顧客に向けて提供する。
アクセンチュアとAnthropicは2025年12月、グローバル規模で複数年にわたる戦略的パートナーシップの拡大を発表し、Anthropicの生成AI「Claude」の研修を約3万人のアクセンチュア専門家に対して共同で進めるなど、世界最大規模のClaude専門人材体制を構築してきた。合わせて、「責任あるAI」という共通の価値観のもと、金融、ライフサイエンス、医療、公共分野といった規制業界向けのソリューション開発も進展している。また両社は、Claudeを基盤としたサイバーセキュリティ運用の新ソリューション「Cyber.AI」を3月に発表している。
こうしたグローバルでの実績を基盤に、アクセンチュアが培ってきた業界・業務に対する深い知見と、全社規模の業務変革を実行してきた実績を生かし、日本企業が安心して生成AIを導入・運用し、業務変革と成長につなげるための支援体制を強化する。ビジネスグループでは、日本企業で高まるサイバーセキュリティニーズのほか、ガバナンスやコンプライアンスといったエンタープライズ要件を前提に、日本企業特有のIT環境や業界特性を考慮しながら、Claudeを企業活動の実運用に組み込むことで、グローバルで培われた知見と国内での実践を融合させ、持続的な価値創出につなげていくとしている。
日本で提供する主な支援のうち、全社AI変革の設計と実行では、Claudeを個別業務の効率化にとどめず、戦略、業務プロセス、組織、人材、文化、テクノロジーを横断する全社変革として設計・実行する。経営層との戦略対話を起点に、AI駆動で業務の可視化と再設計を推進し、Claude CodeやClaude Coworkを活用した実装へと展開する。単なるツール提供に終始することなく、業務プロセス、既存システム、組織体制との整合を踏まえた設計・導入・運用を一体で支援し、チェンジマネジメントによる定着までを一気通貫で伴走する。
AI駆動開発によるソフトウェア開発ライフサイクル(SDLC)の刷新では、要件定義から設計、開発、テスト、リリース、運用まで、ソフトウェア開発の全工程にAIを組み込むことで、変化への対応力を高める。市場環境の変化や新たな規制要件にも、従来の数分の一のスピードで対応できるエンジニアリング組織への変革を支援する。さらに、こうした変革を確実に実行・運用するため、全社活用を前提とした安全性とガバナンスを確保する。
Claude Codeは、セキュリティや安全性に配慮した判断を行うよう設計されており、リスクの高いコードを生成しにくい設計思想(Constitutional AI)を備えている。これに加え、仕様やテストの事前定義、AIによる多段階の品質チェック、変更の根拠と履歴の自動記録など、開発プロセス全体を対象とした統制を整えることで、AI駆動開発を安全に本番運用し続けられる体制を実現する。
老朽化した基幹系レガシーシステムのモダナイゼーションと最適化では、多くの日本企業で経営課題となっている、複雑化した基幹系レガシーシステムの刷新に対して、アクセンチュアが提供する基幹システム変換ツール「MAJALIS」とClaudeを組み合わせることで、モダナイゼーションを加速する。MAJALISにより既存資産を標準的なJavaに変換し、Claudeがコード解析、仕様の可視化、テスト生成などを担うことで、移行後の理解性・保守性・拡張性を高める。これにより、単なるレガシー刷新にとどまらず、生成AI活用を前提とした次世代システムへの進化を見据えた最適化を実現する。
AIの急速な進化に対応する、包括的なサイバーセキュリティ変革では、アクセンチュアが提供しているAI駆動型サイバーセキュリティソリューションのCyber.AIに加え、世界で3万人を超えるサイバーセキュリティ専門家が連携し、アセスメントからトリアージ、復旧、継続的な高度化までを一貫して支援する。さらに、AI活用を前提としたセキュリティガバナンスの設計やインシデント対応力の強化、業界固有の規制要件への対応を通じて、日本企業のセキュリティ運用を安全かつ持続的に次の水準へと引き上げる。
