「ハードウェア版Cursor」を謳うツール登場。Anthropicも動き出す | WIRED.jp

これに注目しているのはヴェルメーレンだけではない。4月16日にはAnthropicの開発者フェリックス・リーゼベルクがXに投稿し、「開発者やものづくりをする人たち向けに、Claudeと連携するハードウェアを構築できるちょっとしたBluetooth APIを公開しました」と発表した。さらに、ヴェルメーレンのClawyとよく似たデバイスの写真とGitHubへのリンクも共有している。ただし、この機能がビークやヴェルメーレンの作品から直接着想を得たものかなのかどうかについて、『WIRED』はリーゼベルクとAnthropicに問い合わせたが、回答は得られなかった。

「これが誰かに影響を与えられたのなら、誇りに思います」とヴェルメーレンは話す。「Anthropicが公式機能をつくったきっかけがこのツールなら、さらに誇らしいです」

ものづくりのハードル

現在、OpenAIのような巨大企業から大手半導体メーカー、さらにはニッチなウェアラブル製品を手がける企業まで、ほぼすべてのAI関連企業が何らかのハードウェアデバイスを手がけているように見える。また、電子タバコをシンセサイザーに改造したり、米移民・関税執行局(ICE)に対抗するための技術をつくったりと、独自に開発を続ける開発者やものづくりのコミュニティは以前から存在する。

「ハードウェアの大きな問題は、参入のハードルが高く、ごく一部の人しか取り組めない点です」とビークは話す。「このツールを通じて、より多くの人が何かをつくれるようになること、あるいはハードウェアのつくり方を学べるようになることを願っています」

Image may contain Computer Hardware Electronics Hardware Monitor and Screen

ヴェルメーレンが制作した「Clawy」と呼ばれるたまごっち風のデバイス。Claudeでのコーディング作業の管理に役立つ。

Photograph: Marc Vermeeren

ソフトウェアにおけるバイブコーディングは、大きな脆弱性を生む可能性があることから、あまり評判がよくない。同様の問題がハードウェアでも起き、質の低い製品が際限なくつくられてしまう可能性はある。

この点についてビークは、「言語や画像の場合、大規模言語モデル(LLM)の出力が正しいかどうかは、かなり主観的な判断になってしまいます」と説明する。「その点、電子回路は純粋に物理法則に従うので、正しいかどうかを確かめることができます」

ビークは、Schematikが爆発しかねないデバイスの制作につながらないようにしたいと考えている。そこで現状、Schematikで制作できるものは、最大でも3ボルトまたは5ボルトの低電圧設計のものに限定している。IoT機器や音楽プレーヤーのようなガジェットを動かすには十分な電圧だ。もっとも、最終的な目標はいつかヒューマノイドをつくれるようになることだともビークは話している。

AIが得意な領域

「このアイデアは有望であり、今後目指すべき方向性だと思います」と、デバイスを分解して修理のしやすさを評価するiFixitの最高経営責任者(CEO)、カイル・ウィーンズは話す。ウィーンズ自身はSchematikを使ったことはないが、有用なツールになる可能性があると見ている。電子製品の設計は非常に複雑で、多種多様な部品を比較しながら、使う部品すべての互換性を確かめなければならない。「これは本当に難しい問題です」とウィーンズは話す。「この規模の課題は、AIが得意とする領域です」