4月9日にはグーグル(Google)との複数年にわたる協業も発表。従来からグーグルがクラウド事業で活用してきた「Intel Xeon」CPU(中央処理ユニット)を複数世代にわたって継続採用するとともに、カスタムASICベースのIPU(インフラ処理ユニット)の共同開発を加速させることを明らかにしました。
さらに、昨日行われたテスラの第1四半期決算では、インテルの次世代製造プロセス「14A」をテラファブ構想に採用する計画をマスク氏自身が発表しています。同プロセスにとっては初の主要顧客企業です。

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アンスロピックの評価額がセカンダリー・マーケットで「1兆ドル」突破
「Claude」モデル開発元のアンスロピック(Anthropic)に投資家の熱視線が注がれている。Samuel Boivin via Reuters Connect
4月15日付のカッティングエッジでは、アンスロピック(Anthropic)がここ1カ月ほどの間に複数のベンチャーキャピタルから出資の打診を受けていたこと、そこで提示された評価額が最大8000億ドルだったことをお伝えしました。
ビジネスインサイダーのベン・バーグマン記者によるスクープでしたが、同記者の最新の取材成果によると、セカンダリー・マーケット(主に未公開企業の発行済み株式を投資家どうしで売買する流通市場)では、アンスロピックの評価額がその後も急騰を続けているそうです。
プライベート市場参加者向けマーケットプレイスを運営するフォージ・グローバル(Forge Global)のケリー・ロドリゲス最高経営責任者(CEO)に聞くと、アンスロピックの予想評価額は「1兆ドル前後」で推移しているとのこと。
一方、バーグマン記者が取材した複数のトレーダーによれば、競合するオープン(Open)AIの未公開株式への需要は低迷している模様。
3月の資金調達ラウンドにおけるオープンAIの評価額は8520億ドル。その前月にアンスロピックが資金調達した際の3800億ドルに比べると倍以上ながら、セカンダリー・マーケットではアンスロピックを下回る株価で取引されている(ゆえに予想評価額もより低い)ようです。
なお、前出フォージ・グローバルのロドリゲス氏によれば、同社のマーケットプレイスでオープンAIの予想評価額は8800億ドル前後で推移しているとのことでした。
オープン(Open)AIのサム・アルトマン最高経営責任者(CEO)。ZUMA Press Wire via Reuters Connect
もちろん、セカンダリー・マーケットにおける評価額の傍証となるケースはまだまだあって、バーグマン記者が取材した市場関係者たちの驚くべき証言を以下でいくつか紹介しておきます。
未公開株式の買取を手がける投資会社セインツ・キャピタル(Saints Capital)の創業者兼マネージングパートナー、ケン・ソーヤー氏によれば、アンスロピックの株主から最近、評価額1兆1500億ドルで保有する株式を手放したいとの申し出があったそうです。
また、AI音声エージェント開発企業オープンホーム(OpenHome)創業者のジェシー・レイムグルーバー氏は最近のX投稿で、関係者なら誰でも知っているようなグロースファンド運営を手がける投資会社から、自身の保有するアンスロピック株式を評価額1兆500億ドルで買い取りたいとのオファーがあったことを明かし、「完全にぶっ飛んでる」とこぼしています。
さらに、非公開株式取引に特化した投資銀行レインメーカー・セキュリティーズ(Rainmaker Securities)のグレン・アンダーソンCEOは近ごろ、「ほんの数週間前には考えられなかったような」評価額9600億ドルでアンスロピック株式を購入しないか持ちかけられたとか。
同氏は打診に返事をしていないとのことですが、いずれにしても、妥当な評価額なのか検討する間もなく売れてしまうと考えている様子。打診を受けてから1日もしないうちに他の誰かが買ってしまうのが常態化していて、もはやほぼ売り手はいないのだと、マーケットの実情をよく知るアンダーソン氏は説明します。

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アンスロピックとオープンAIの両方に創業初期から投資してきたウィズダム・ベンチャーズ(Wisdom Ventures)のゼネラルパートナー、ブラッドリー・ホロウィッツ氏に言わせれば、いまアンスロピック株式を欲しがる人たちの原動力は「FOMO(取り残される恐怖)」だそうです。
取引時の株価がいくらで、評価額がどうで、想定されるリターンがこうだ、というのはあまり関係なく、アンスロピックの投資家であると名乗れるレピュテーションが目的になっていて、それが株価や予想評価額を押し上げているのだと。
一方、アンダーソン氏によれば、オープンAI株式を欲しがる投資家はあまりおらず、マーケットでの予想評価額は直近の8520億ドルを下回っているとのこと。
「オープンAIのマーケットは全然盛り上がっていません。投資家のセンチメントは完全にアンスロピックに移ってしまいました」