DeepMindのデミス・ハサビスCEO。DeepMindのデミス・ハサビスCEO。GoogleDeepMindのデミス・ハサビスCEOは、汎用人工知能(AGI)に向けた現在の取り組みは、なお改善の余地が大きいと述べた。ハサビスによれば、現在のシステムは、継続的な学習や長期的な計画立案ができず、一貫性にも欠けているという。彼は昨年、実用レベルのAGIが現実に使われるようになるまでには、5年から10年かかるとの見通しを示していた。

Google DeepMindのデミス・ハサビス(Demis Hassabis)CEOは、「真の汎用人工知能(AGI)は実現に向かっているが、まだ道のりは遠い」と述べた。AGIとは、人間のように推論し、学習したことのない手法を用いて問題を解決できるとされる、仮説上の機械知能のことをいう。

インドのニューデリーで開かれたAIサミットで、ハサビスは、現在のAGIシステムが人間の知能に匹敵し得るかどうかを問われた。これに対し、彼は「まだその段階には到達していないと思う」と簡潔に答えた。

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彼は、現在のAGIシステムが不十分である点として、3つの分野を挙げた。

第1に、彼が「継続的学習(continual learning)」と呼ぶ能力だ。現在のシステムは、実装前に受けた学習内容に基づいて固定されており、そこから自律的に学び続けることができないという。

「本来望ましいのは、そうしたシステムが、経験からオンラインで継続的に学習し、自分が置かれている文脈から学び、さらには、その場の状況や与えられたタスクに応じて、ある程度パーソナライズされることだ」

第2に、現在のシステムは長期的な思考を行うことが苦手だと指摘した。

「短期的な計画は立てられるが、人間が年単位で長期的な計画を立てるような能力は、本当の意味ではまだ備えていない」

そして最後に、現在のシステムには一貫性が欠けているとも指摘した。ある分野では非常に優れている一方で、別の分野では十分に対応できないという。

「例えば、現在のシステムは、国際数学オリンピックで金メダル級の非常に難しい問題を解くことができる。しかし一方で、質問の仕方によっては、初歩的な算数でさえ誤りを犯すことがある。真の汎用知能システムであれば、そのような『でこぼこ』はあってはならない」

一方、人間であれば、数学の専門家が初歩的な計算問題で間違えることはないはずだ、とハサビスは言う。

彼は昨年、アメリカのテレビ番組「60 Minutes」のインタビューで、真のAGIは5年から10年以内に実現すると語った。

ハサビスは2010年に、AI研究機関であるDeepMindを共同創業した。同研究所は2014年にグーグルに買収され、現在は同社の生成AI「Gemini」の中核技術を担っている。2024年には、タンパク質構造予測に関する業績により、ノーベル化学賞を共同受賞した。

AGIは、シリコンバレーでは見解が分かれるテーマだ。

Databricksのアリ・ゴドシ(Ali Ghodsi)CEOは、9月に開かれたカンファレンスで、現在のAIチャットボットはすでにAGIの定義を満たしていると述べた。一方で、シリコンバレーのリーダーたちは「ゴールポスト」を動かし続け、人間をしのぐ思考能力を持つAI、すなわち超知能へと基準を押し上げているとも指摘した。

2月16日から20日にかけてインドで開催されたAIサミットには、テクノロジー分野およびAI分野の著名人が多数参加した。サミットの登壇者には、OpenAIのサム・アルトマン(Sam Altman)CEO、アンソロピック(Anthropic)のダリオ・アモデイ(Dario Amodei)CEO、グーグルのスンダー・ピチャイ(Sundar Pichai)CEO、そしてメタ(Meta)のチーフAIオフィサーを務めるアレクサンダー・ワン(Alexandr Wang)らが名を連ねている。

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