OpenAIは、ChatGPTの無料版に広告を表示させ始めており、今後より多くの米国ユーザーに展開される見通しだ。そこでわたしは先週、モバイルアプリ版のChatGPTに500の質問を投げ、新たな広告がどのように表示されるのかを確認してみた。質問は基本的に、情報収集や実用的なアドバイスの依頼など、OpenAIが挙げたユーザーによる生成AIツールの主な利用実態を参考にしながら作成した。
今回の簡易的な検証では、ChatGPTの広告はかなり頻繁に表示されるように感じられた。新しい会話では、質問に対しおよそ5回に1回の割合で、チャットボットの回答の下部に広告が表示されたのである。これらの広告にはウェブサイトへのリンクボタンが含まれており、その内容は質問の大まかなテーマに沿ったものとなっていた。広告の試行を続けられるなかで、表示形式や頻度は今後変わる可能性がある。
「ChatGPTは多くの人が信頼して個人的なやりとりをしている場であるため、広告は意図して慎重に展開しています」と、OpenAIの広報担当者は『WIRED』に語る。「まずは広告主と形式を限定し、得られた知見をもとに改善していこうと考えています」。OpenAIは、今回の広告導入は今年後半に噂されているIPOとは無関係であり、ChatGPTを多くのユーザーが利用できるよう維持するための長期戦略の一環だと説明している。
質問内容に合わせて変わる広告
広告が導入されて間もない現段階でも、広告は頻繁に表示されるように感じた。とはいえ、扱うテーマは幅広く、表示される広告の内容は直前の質問に沿ったものとなっていた。ギグエコノミーについて質問したときには、「Your Schedule, Your Earnings(働く時間も収入もあなた次第)」と書かれたUberの広告が表示された。史上最悪のテレビ番組について尋ねたときには、回答の下にエンタメ系ニュースサイト「Page Six 」のニュースレター購読の広告が表示された(ちなみに、質問の回答としてはトーク番組『The Jerry Springer Show』とテレビドラマ『Cop Rock』を候補として挙げていた)。ハーバード大学とスタンフォード大学の違いについて質問すると、ミネソタ大学のパートタイムMBAプログラムの広告が表示された。
ほかにもドッグフード、プリンター、ホテル予約、生産性向上ソフト、映画チケット、フードデリバリーアプリ、おしゃれなネクタイ、動画配信サービス、法人向けクレジットカード、家具、クルーズ旅行、AIコーディングツール、フリーランス編集者によるサービス、スキンケア関連の記事、法人向けインターネット回線、ハンドメイド作品、スーパーマーケット、バスケットボールのチケットなど、幅広い広告が表示された。

ギグエコノミーについて尋ねたときには、Uberの仕事の広告が表示された。
Photograph: Reece Rogers
いまのところ、特に旅行に関する質問に対し広告が表示されやすいようだ。パームスプリングスへの旅行について相談したとき、回答の下にはBooking.comの広告が表示され、リンクをクリックすると自動的にパームスプリングスのホテルの検索結果が開いた。
広告展開への方針転換
今年、無料ユーザー向けに広告導入へ舵を切る以前、OpenAIの最高経営責任者(CEO)であるサム・アルトマンは、広告を伴うチャットボットへの嫌悪感を示していた。「わたしは広告が嫌いです」と、アルトマンは2024年、ハーバード・ビジネス・スクールのイベントに登壇した際に語っている。「広告とAIの組み合わせは独特の不安感をもたらします」と語り、回答に誰かの影響があるのではないかという疑念を招くと指摘していた。
