東アジア「深層取材ノート」
東アジア「深層取材ノート」(第324回)
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近藤 大介
ジャーナリスト・明治大学講師
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2026.3.31(火)
2025年10月、日中首脳会談を前に中国の習近平国家主席(右)と握手を交わす高市首相=韓国・慶州(写真:共同通信社)
日中間で、また新たな齟齬(そご)が生まれている。先週3月24日に起きた中国大使館侵入事件を巡る一件だ。
「ちょうかい」改装と中国大使館侵入事件
同日午前9時頃、陸上自衛隊えびの駐屯地(宮崎県えびの市)に勤務する村田晃大3等陸尉(23歳)が、東京の中国大使館に刃物を持って侵入し、大使館関係者に身柄を確保された。その後、警視庁に身柄を引き渡され、建造物侵入容疑で逮捕された。
村田容疑者は容疑を認め、「中国大使に強硬発言を控えるよう直訴し、聞き入れられなければ自決するつもりだった」と供述しているという。
送検のため、警視庁麻布署を出る村田晃大容疑者=3月26日(写真:共同通信社)
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この事件を日本側は、一個人が偶発的に起こした犯罪と捉えている。そのため、自衛隊を管轄する小泉進次郎防衛相が、3月27日の記者会見で「遺憾の意」を述べることで、収拾を図ろうとした。
「法と規律を遵守すべき自衛官が、在京中国大使館の敷地内に侵入し、建造物侵入の容疑で逮捕されたことは、誠に遺憾です。防衛省としても事実関係が明らかになり次第、厳正に対処してまいります」
ところが中国側は、「日本の再軍備化」の延長線上に起こった出来事として捉えている。つまり中国側の方が、広くかつ深刻に考えているわけだ。
