福島県南相馬市に本社を置く宇宙スタートアップAstroX株式会社は2026年2月26日、同市の井田川実験場にて小型ハイブリッドロケット「Kogitsune(こぎつね)」の吊下げ発射試験を実施し、姿勢制御を確認したと発表しました。試験は2月14日に実施されたものです。

気球とロケットの「Rockoon」システム

AstroXが開発を進めている「Rockoon(ロックーン)」は、ロケットを気球で成層圏まで上昇させたのち、空中から宇宙空間に向けて発射する空中発射方式で、将来的に衛星の軌道投入を目指すロケットです。ロケットはCMG(Control Moment Gyro:コントロール・モーメント・ジャイロ)を介してランチャーレールに装填され、所定の方位角・仰角を保ちながら発射される構成となっています。

左側は背面からの全体図、右側は前面下側からCMGとロケットを見上げた構図(Credit: AstroX)【▲ 左側は背面からの全体図、右側は前面下側からCMGとロケットを見上げた構図(Credit: AstroX)】

今回の実験では、気球による空中環境を地上で模擬するため、2基のコンテナ上に門型ゲートを設置し、CMG姿勢制御装置とKogitsuneロケットを吊り下げた状態で発射が行われました。Kogitsuneは全長1700mm、直径154mm、質量10kgの小型ハイブリッドロケットで、2024年8月には同実験場での地上発射実験にも成功しています。

Kogitsuneロケット構造図(Credit: AstroX)Kogitsuneロケット構造図(Credit: AstroX)【▲ Kogitsuneロケット構造図(Credit: AstroX)】姿勢制御の実証に成功、2026年度中の宇宙空間到達を目指す

実験の結果、点火直後に燃料棒が破損したことでロケットは正常な飛翔には至りませんでした。一方で、CMGによるランチャーレールおよびロケット本体の発射姿勢制御は確認できたとしています。AstroXは、風や想定外の発射状態に伴う外乱があっても制御を維持できることを実証したと説明しています。

また同社は2026年2月、シリーズAで総額23.2億円の資金調達完了も発表しており、2026年度中の宇宙空間到達に向けて開発を加速させる方針です。

 

文・編集/sorae編集部

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