宇宙飛行士2人を国際宇宙ステーション(ISS)へ送り届けたボーイングの宇宙船「スターライナー」。しかし機体の不具合により地球へ帰還できなくなり、宇宙飛行士2人は数カ月にわたってISSに滞在することを余儀なくされた。この問題についてNASAは、一連の不具合の「真の技術的な根本原因」の特定が近づいているとの見解を示した──
NASAは、ボーイング製宇宙船「スターライナー」のトラブルに関する調査報告を公表した。2024年末から2025年初めにかけて大きく報じられた問題で、宇宙飛行士スニ・ウィリアムズ氏とブッチ・ウィルモア氏が国際宇宙ステーション(ISS)に数カ月間とどまる事態となった。NASAは今回、ミッションの失敗について自らの責任を認めている。
NASA長官ジャレッド・アイザックマン氏は公式ブログで、「スターライナーは無人飛行と直近の有人飛行の両方で課題があった」と説明。「機体を製造したのはボーイングだが、受け入れて打ち上げたのはNASAだ。ISSへのドッキング中に起きた技術的な問題は明らかだった」と述べた。
NASAはこのミッションを最も重大な「タイプA事故」に分類した。これは、有人機の機体喪失があった場合、またはミッション失敗や機体損傷による直接の損失が200万ドルを超える場合に適用される区分だ。スターライナー計画にはこれまでに42億ドルが投じられている。
アイザックマン氏はX(旧Twitter)で職員向けの書簡も公開した。そこでは、過去の軌道飛行試験(OFT)で確認されていたスラスターのリスクが十分に理解されていなかったことや、2人の帰還方法をめぐって幹部の間で意見が分かれていたこと、さらに、失敗が明らかだったにもかかわらず公式な認定が遅れたことなどが指摘されている。
同氏は記者会見でも、不具合の「真の技術的な根本原因」はまだ特定できていないと説明。ただし、「解明は近い」と強調した。
「私たちはゼロからやり直しているわけではない。複数の調査結果がまとまりつつあり、今後数時間から数日で明らかになる。ボーイングとNASAはこれまで継続して原因の解明に取り組んできた」と述べた。
記憶に残るトラブル
スターライナーの有人飛行は何度も延期された末、2024年6月5日に打ち上げられた。しかしISSへ向かう途中で複数の不具合が発生し、スラスターの故障も起きた。ドッキングは緊張を伴う作業となった。
帰還は当初予定より2週間遅れた。最終的にスターライナーは2人を乗せないまま地球に戻り、ウィルモア氏とウィリアムズ氏はISSに残った。2人は2025年3月、クルー9で帰還した。
NASAとボーイングは今後、スターライナーを無人の補給ミッションとして再びISSに送る計画だ。打ち上げは2026年4月を予定している。
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この記事は海外Ziff Davis発の記事を4Xが日本向けに編集したものです。
