「仲が悪いわけじゃない。むしろ互いを思いやっているのに、その気持ちがうまく届かない、届けられない日がある。そんな曖昧な距離感こそ、言葉にしにくく、気づいたときには小さな溝になっている」

結婚は他人同士が家族となるもの。それぞれの価値観をすりあわせていくことも大切になります。しかも妊娠・出産・育児のようなことは、ふたりだけの生活からまたさまざまな考え方の違いも出てきて当然。結婚前から話し合いをしてきて、うらやましいほどコミュニケーションをとっているともいわれるバービーさんとつーたんさん夫婦の間ですら、そういうことがあるんだと感じさせられたのが、バービーさんの夫・つーたんさんの連載「#nofilter」第28回。

前編では、今年4月から娘が保育園に通い始めたことに加え、部署異動によって職場環境が一変したことをきっかけに夫婦のすれ違いが増えていったことをお伝えしました。後編では、バービーさんの一言からつーたんさんがハッとさせられたことや、離れ気味になった夫婦の距離を再び縮めるために大切にしたいことなどを綴っていただきました。

前編【育児が始まって意思疎通が難しく…妻・バービーとの4年間の結婚生活で大きく変わったこと】はこちら

チクっと痛みを感じた…妻からの一言

少し前のある日の帰り道。いつもどおり定時早々に仕事を切り上げた。駅まで小走りで向かったものの、目の前で電車のドアが閉まり、そのまま発車してしまった。

ちょうど仕事でトラブルが立て込んでいた時期で、僕自身もかなり疲弊していた。改めてスマホで乗り換え案内を調べると、5分ほど帰宅が遅くなりそうだ。たった5分だけど、その5分は僕ら家族にとっては大きな意味を持つのだ。

ふと、自分の働き方、毎日について立ち止まるような感覚があった。

そして同じ頃、妻からは「もう少し私の状態にも目を向けてほしい」と感じることがある、という話を聞いた。

心臓をチクっと針でつつかれるような痛みを覚える。妻の言葉が胸に刺さったのは、責められているように感じたからではない。きっと我慢を重ねたうえで漏れ出た言葉だと思ったからだ。僕が帰宅したあとは「良かれと思って」娘のことに追われるあまり、妻の気持ちに心を向けられていなかったことに気づかされた。

会話がなかったわけじゃない。その日の出来事など雑談ももちろんするが、「今日をどう乗り切るか」という実務的な話をすることが増えていた。気づけば、僕たちそれぞれの気持ちに触れる時間は、いつの間にか少なくなっていたように感じている。

そのわずかな空白が、気づかないうちにふたりの距離をつくっていたのかもしれない。「言わなくてもわかる」なんて都合の良い魔法は存在しない。夫婦になっても子どもが生まれても起こらない。

むしろ、家族としての時間が増えるほど、意識して言葉を交わさなければ、簡単に噛み合わなくなってしまうものだと感じた。