ここ数週間にわたり暗号資産(仮想通貨)ビットコインを押し下げてきた強い売り圧力が和らぎつつあり、急落局面が終わりに近づいているとの期待が広がっている。

  ビットコインは25日に8万8000ドル近辺で推移。7カ月ぶりの安値を付けた急落から持ち直している。直前の下落局面では大量のロスカットが発生し、暗号資産市場全体で時価総額1兆ドル超が失われた。

  市場心理は依然として慎重で、地合いの弱さが浮き彫りとなっている。ビットコインの月間パフォーマンスは2022年以降で最悪となる見通しで、ビットコインに投資する上場投資信託(ETF)の月間資金流出額は設定来で最大となる公算が大きい。

  それでもビットコインが小幅反発したことで、一部では楽観的な見方も出ている。

  ビットコインのオプション市場では、下落リスクに備えるプットオプションの購入コストが大幅に低下している。オービット・マーケッツの共同創業者キャロライン・モーロン氏によると、1週間物のプットとコールの価格差は、先週21日時点で今年最高水準の11%に達していたが、現在は約4.5%まで縮小したという。

  モーロン氏は「ストレス水準が大幅に低下し、投資家は当面の底をつけたとみている」と述べた。

  もう一つの注目指標であるビットコインの相対力指数(RSI、14日間)は、10月初旬からの急低下を経て現在32となっている。一般的に30を下回ると売られ過ぎ、70を上回ると買われ過ぎとされる。一方、ビットコインのインプライド・ボラティリティ(IV)は、関税関連ニュースで売りが膨らんだ4月以来の水準に戻った。

  ニュースレター「クリプト・イズ・マクロ・ナウ」の筆者、ノエル・アチソン氏は「トレーダーはどちらの方向にも動き得るブレークアウトに備えている」と指摘。「ただしオプションのスキュー(ゆがみ)を見る限りでは、これ以上の下落に賭けるポジションは、上昇を見込むポジションに比べて弱まりつつある」と述べた。

  ブルームバーグ・インテリジェンス(BI)のデータによると、世界の暗号資産関連の上場投資商品(ETP)からの資金流出額は11月に入り60億ドル(約9400億円)超と18年以降で最大となっている。それでも多くの投資家は保有を続けている。米国のビットコインETFからの流出額は37億ドルと全資産1100億ドルの約3%にとどまっている。

  調査会社S3パートナーズのリポートによると、ブラックロックのビットコインファンド(IBIT)では空売り残高が急減しているという。

  BTCマーケッツのアナリスト、レイチェル・ルーカス氏は、24日のビットコイン取引が低調だったことも売り圧力が弱まっている兆候だと指摘。短期的な下値めどを8万ドルとする一方、本格反発に向けた上値抵抗線として9万-9万5000ドルの水準を挙げた。

原題:Bitcoin Traders See Signs of Selloff Easing as Token Steadies(抜粋)

— 取材協力 Sidhartha Shukla