30日の日本市場では円相場が対ドルで下落に転じた。日本銀行の金融政策維持決定に対する反対票が前回と同じで、利上げ期待が盛り上がっていない。

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  円は対ドルで一時153円14銭まで下げた。日銀は30日の金融政策決定会合で市場の予想通り金利維持を決定した。反対も2人と前回と同じだった。年内利上げの市場織り込みは50%前後と結果発表前に比べて進んでいない。株式は上げ幅を拡大し、債券先物は下げ幅を縮小している。

Bank of Japan Governor Kazuo Ueda Speaks in Osaka

植田日銀総裁(中央)

Photographer: Naoya Osato/Kyodo News/Bloomberg

  ベッセント米財務長官は日銀にインフレ抑制への取り組みに裁量の余地を与えるよう日本政府に呼び掛けている。米金融当局は政府機関閉鎖で利用できる経済指標が限られる中で12月の利下げを模索することになり、金融市場にとって不透明な日米金融政策を見極める局面が続く。

  野村証券の後藤祐二朗チーフ為替ストラテジストは、日銀会合で反対票が前回から増える可能性が意識されていたが2人で変わらず、タカ派化しなかったと指摘した。

国内為替・株式・債券相場の動き-午後0時52分時点円は対ドルでニューヨーク終値比0.2%安の153円05銭長期国債先物12月物は前日比15銭安の135円98銭に下げ縮小新発10年債利回りは2.5ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)高い1.675%東証株価指数(TOPIX)は前日比0.8%高の3303.25日経平均株価は0.7%高の5万1643円80銭一時5万1657円28銭と日中の最高値を更新為替

  円は対ドルでニューヨーク終値比0.3%安の153円14銭まで一時下落した。

  野村証の後藤氏は、日銀の植田和男総裁の会見が注目として、12月会合での利上げの可能性について決め打ちはできないが、ライブ感が出てくるようなコミュニケーションをするとドルの上値が限定されるとした。これを否定する形になると、10日のドル・円高値(153円27銭)を試す展開になると予想している。

株式

  株式は上げ幅を拡大して、午前の高値を上回っている。

  NECや日立製作所といった電気機器、三菱UFJフィナンシャル・グループをはじめとする銀行、三菱商事などの卸売りが上げを主導しており、日経平均株価は取引時間中の最高値を更新している。

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債券

  債券相場は先物が下げ幅を縮小。日銀会合が7対2で現状維持となったことを受けて、買い戻す動きが出ている。

  三菱UFJモルガン・スタンレー証券の六車治美チーフ債券ストラテジストは、物価のリスク評価も「おおむね上下にバランスしている」と変わらず、日銀会合の結果がタカ派的な内容ではなかったことは「債券市場にとっては安心材料になる」と語った。

  植田総裁の会見では利上げしなかった理由に注目しており、「利上げが12月になるか来年1月になるかはそれ次第だろう」とも述べた。

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