アングル:米国株、AIトレードが席巻 オラクルが時価総額トップ10入り

 9月11日、今年の米株式市場は「AIトレード」を追い風に過去最高値を更新している。写真はオラクルのロゴ。2019年9月、米ニューヨーク証券取引所で撮影(2025年 ロイター/Brendan McDermid)

[11日 ロイター] – 今年の米株式市場は「AIトレード」を追い風に過去最高値を更新している。10日の取引ではオラクル(ORCL.N), opens new tabが36%急騰。AIトレード熱が再び高まっている。

オラクルは、複数のAI企業から大型のクラウドサービス契約を受注したことを明らかにした。時価総額は9220億ドルに達し、イーライリリー、JPモルガン・チェース、ウォルマートを抜いた。

オラクル、ブロードコム、パランティアなど今年のテック株の急騰は、過熱感への警戒はあるものの、AI関連株が依然として市場の主役であることを示している。

一方、これまで強気相場をけん引してきた「マグニフィセント・セブン」は、アップルやテスラが値下がりするなど、失速している。

チェース・インベストメント・カウンセルのピーター・タズ社長は「AIや関連インフラの成長が鈍化するとの懸念が出始めていたが、オラクルの数字がサプライズとなったことで、再び注目を集めている」とし「AIトレードが再び主導権を握りつつある兆候といえる」と述べた。

オラクルは現在、時価総額上位10銘柄の一角を占める。上位10社はほぼ全てがAIのリーダー的存在で、エヌビディア、マイクロソフト、アルファベット、アマゾンなどが含まれる。

AI dominates S&P 500AI dominates S&P 500

エヌビディアは今年、マイクロソフトやアップルに代わり、時価総額が世界史上最大となった。先月下旬に公表した業績予想が市場の期待に届かず、株価は一時2%下落したが、11日時点でも時価総額4兆3000億ドルを維持している。

テック株全体も、8月に警戒感から一時売りが出たものの、その後は持ち直し、年初来で16%以上の上昇を記録している。

オラクルの時価総額は、10日の急騰を受けて9220億ドルに達した。バークシャー・ハサウェイの1兆0600億ドル、テスラ(TSLA.O), opens new tabの1兆1200億ドルに迫っている。

オラクルは9日、4件の大型契約を発表。競争激化で巨額投資を進めるオープンAIやxAIなど、AI業界の波に乗った。

S&P500指数では、オラクルやブロードコムなどAI関連の時価総額上位8銘柄が指数全体の30%近くを占めている。

AI players' contributions to the S&P 500's 11% YTD gainAI players’ contributions to the S&P 500’s 11% YTD gain

同指数は年初から11%上昇しているが、ロイターがLSEGのデータを基に算出したところによると、上昇分の約半分はエヌビディア、マイクロソフト、ブロードコム、メタ・プラットフォームズ、アルファベット、アマゾン、パランティア、オラクルの値上がりによるものだ。

All of Wall Street's highest turnover stocks in the past five sessions are part of the 'AI  trade', except for AppleAll of Wall Street’s highest turnover stocks in the past five sessions are part of the ‘AI trade’, except for Apple

過去5営業日の取引データでは、取引高上位10銘柄のうち、アップルを除く9銘柄がAI関連株だった。首位はエヌビディアで、1日当たりの平均取引高が290億ドルだった。

AI株の熱狂はテック業界を超えて広がっている。今後の電力需要増加を見越して、電力会社や電力機器メーカーの株価も上昇。産業用機器のGEベルノバ(GEV.N), opens new tabや、公益のコンステレーション・エナジー(CEG.O), opens new tabとビストラ(VST.N), opens new tabといった非テック銘柄が、AIブームを追い風にこの1年で大きく上昇している。

AI熱は、米株式市場全体のバリュエーションを歴史的な高水準へと押し上げている。LSEGデータストリームによると、S&P500指数は現在、予想株価収益率(予想PER)が22倍超と、過去4年間で最高水準付近。過去10年間の平均は18.6倍だ。

特にS&P500の11セクターの中で最もウエートの高いテクノロジーセクター(.SPLRCT), opens new tabは、予想PERが28倍を超えており、10年平均の約22倍を大きく上回っている。S&P 500 valuationS&P 500 valuation

オラクルは10日の急騰を受けて、年初来で株価がほぼ倍増した。パランティアは年初から120%上昇、ブロードコムも約60%値上がりしている。

ホライズン・インベストメント・サービスのチャック・カールソン最高経営責任者(CEO)は「オラクル株の急騰には非常に驚いた。AIトレードにはまだ活気があり、大量の資金が引き続き流入することを示している」と述べた。

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Noel Randewich

San Francisco correspondent covering the stock market with a focus on Big Tech, semiconductors and other Silicon Valley companies