中国政府は、国民が国外で得た所得に対する課税の取り組みを強化している。昨年は超富裕層を主な対象としていたが、今はそれ以外の個人にも監視の目を広げている。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。

   関係者によれば、中国当局は現在、投資収益や配当金、従業員向けストックオプションを含む幅広い海外所得について調査している。投資収益に関しては、最大20%課税する可能性があるという。非公開情報だとして匿名を条件に話した。 

  税務サービス業者によると、ここ数カ月で資産100万ドル(約1億4300万円)未満の顧客からの問い合わせが急増している。資産1000万ドル以上の個人を主に対象とした昨年の取り締まりからの大きな変化だという。特に米国・香港株に投資する中国の居住者が税務当局の重点的な対象だと関係者の1人は語った。

  国家税務総局は、コメント要請にすぐには応じなかった。中国政府は米国の関税に対抗するため景気刺激策を強化。一方で、歳入を増やすことで、記録的な財政赤字を抑制しようと取り組んでいる。

  

  中国人投資家は、景気低迷や当局による民間企業締め付けなどを背景に資産を国外に移す動きを加速。格差是正に向けた「共同富裕」(共に豊かになる)を掲げる習近平国家主席の政策も資産を持つ個人投資家の心理を悪化させた。

  ブルームバーグの試算によれば、中国本土の投資家は香港との株式市場接続を通じ、今年これまでに香港上場株に6580億香港ドル(約12兆円)を投資。昨年の同時期の2倍余りの規模となる資金流出だ。

  中国財政省は、納税者が申告していなかったり税務当局が把握していなかったりする個人所得への課税を強化することで、税収を増やす余地があるとみている。非公開情報だとして事情に詳しい1人の関係者が匿名を条件に述べた。

  中国財政省はコメント要請に返答しなかった。

原題:China’s Global Income Tax Crackdown Expands Beyond Ultra Rich(抜粋)

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