松田聖子見てはいけない!アイドル劣伝パート1
早見優 堀ちえみ 柏原芳恵 アグネスチャン
老化は人の「死」へのステップでもあります。
誰でも死は怖く、不老不死でありたいと
願うこともあるわけで、そういう観点からも
興味深いテーマですが、実際、老化の
メカニズム解明はどれくらい進んでいるのですか?

加治:実は、発生学は早くから学問として
成り立っていますが、老化学はなかなか
研究対象として取り扱うのが難しく、研究が
遅れています。なぜなら生命のスタートは
みな同じで、かつ成長過程もほとんど
一緒ですから、とても研究しやすいんです。

逆に、死因が人それぞれ異なるように
老化のプロセスも個体ごとに大きく違い、
千差万別なのです。

──その違いはどこからくるんでしょう。
もちろん、それぞれの個の遺伝子にも
よるでしょうし、生活環境の違いによって
生じる部分もあるんでしょうね。

加治:そうですね。水や空気、栄養、さら
に生活パターンなどもかなり影響します。
しかし、そんな中にも「共通の老化メカニズムが
あるんじゃないか?」と考え、細胞レベルで
老化の研究をしています。

──老化のシステムは、生物はみな同じなんですか。
加治:まだはっきりとは分っていません。
ただ、一般的に生物ならば必ず老いて死を
迎えると思われていますが、私はそうでは
ないと思います。例えば杉、これは千年も
生きている。きっと永遠に死なないでしょう。
どうしてなんでしょうね?
例えば、フライパンとパソコンの寿命を
比較してみると分ります。
新婚時に買ったフライパンは銀婚式まで
十分に使えますが、パソコンは十年もつか
どうかです。これは、フライパンは形が
単純である一方、パソコンはいろいろな
パーツからできているとても複雑な
構造だからです。

──なるほど。「死」は複雑に進化した生物の
宿命ということなんですね。
加治 そうなんです。では、パソコンが
故障したらどうするか。修理するか買い換える
という選択肢が出てきますが、たいていの
人は新しい物に買い換えますよね。
その方が手間が掛からないですから。
生物も同じで、修理するのは難しいので、
買換えの代りにコピーをつくるようになった。
そこで「死」という過程が生れたんだと
考えています。
このようにして、どの生物にも遺伝子の
継承という現象が見られるようになったのです。
──生物の個体は変っても、それは実は遺伝子が
乗り物を換えるだけとも言えますね。
──それにしても、やはり個体としての
人の寿命は気になります。聞くところによると
人の寿命は120歳が限度だとか。
──それにしても、やはり個体としての
人の寿命は気になります。
聞くところによると、人の寿命は120歳が限度だとか。
加治:そうなんです。人の寿命は120歳が最長です。
フィールドワークで調べた数字で、たまに
「170歳」なんていう人がいますが
これは「自称170歳」であって、よく
調べると80歳くらいというようなことばかり。
この現象は、きちんとした戸籍がない
地域でよく見られるんですが、結局どこを
調べても120歳を超えた人はいないんです。
時空を隔てて比較したヒトの生存曲線
18世紀後半(1728-1736)のウィーン
(下側の曲線)と、20世紀後半(1973)の
アメリカ(上側の曲線)の年代に伴う
生存率を比較。
18世紀前半でも数は少ないが、100歳くらい
まで長生きした人がいた
また面白いことに、この数字は歴史的に見ても、
数値は変っていないようです
例えば、親鸞は90歳、エジプトのファラオ・
ラムセス二世は92歳まで生きていたというのは
歴史的資料、科学的分析で明らかになっています。

最長寿命が延びていくのなら、もう現代では
200歳くらいの人がいてもいいはずです。
そういう事実を照合すると、おそらく
昔から120歳くらいが限度だったんじゃ
ないかと思うんです。

──昔は平均寿命が短かっただけで
最長寿命は今とほとんど変っていない
ということなんですね。
今、日本人の平均寿命はだいたい
80歳くらいですが、このままいくと
平均寿命が120歳ということも・・・。

加治 平均寿命イコール最長寿命になって
120歳でみんながコロリと逝くことが
できたら幸せだと思います。
しかし、それはなかなか無理でしょう。
確かに、医療技術の進歩と生活の質の
向上で、平均寿命はだんだん延びてきています。

しかし、ある程度までいったら、食べる物や
水、空気、生活習慣などの環境要因が
それを阻むことになるでしょう。

どこまで平均寿命を120歳に
近づけていけるか、遺伝子の
老化メカニズムが解明できれば、
そういうところからもアプローチできます。
これも老化研究の一つのテーマでもありますね。